2022 Fiscal Year Research-status Report
バレット食道と好酸球性食道炎の病態形成に関わる相互作用の解明
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22K08056
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石村 典久 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (40346383)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バレット食道 / 好酸球性食道炎 / 胃食道逆流症 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
バレット食道と好酸球性食道炎は共に胃食道逆流症(GERD)を背景に発症し、男性優位でH. pylori未感染例に多い傾向があるが、両疾患の合併は稀であり、お互いの病態が抑制的に作用しているとの仮説を立てた。仮説の検証のため、今年度は以下の検討を行った。 1.好酸球性食道炎およびバレット食道の臨床像および臨床サンプルを用いた検討 ①臨床像の検討:患者群[好酸球性食道炎:A群、バレット食道(好酸球性食道炎の合併例を除く):B群]および対照群(GERD(粘膜傷害あり):C群、健常者:D群)について、症例の集積を行い、各群3~11例について登録した。患者情報として身長・体重・腹囲・アレルギー疾患を含めた併存疾患、生活歴(喫煙、飲酒)、症状、内視鏡所見、発症(診断)時期および出生時の状況、同胞内アレルギー疾患の有無、治療内容および治療後経過についてdataの抽出を行った。症例数はまだ不十分であるが、1cm以上のバレット食道はA群、C群、D群で差は見られなかったが、短いバレット食道(USSBE)まで含めると、A群で低い傾向が見られた。 ②臨床検体を用いた検討:A~D群のうち、未治療例について採血(CBC、好酸球数、生化学、IgE、特異的IgE(MAST48)、IL-5、IL-13、eotaxin-3、TSLP)、内視鏡検査および食道組織の採取を行っている。症例がある程度集まったところで、採血結果の検証および食道組織の病理学的・免疫組織学的検討(バリア機能に関与するepidermal differential complex (EDC)蛋白、TSLP、CAPN-14、eotaxin-3、TGF-βなど)を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
A~D群について各症例20症例を予定しているが、バイアスを小さくするために、男性でH. pylori未感染例に限定している。コロナ禍の影響もあり、特に粘膜傷害のあるGERD症例(C群)の集積が不十分であるため、今後も集積が必要である。症例の集積・臨床像の検討と並行して、培養細胞を用いた基礎的検討も進めていく。予定数に達しない場合は、性別によらず、集積を行うかどうかについても検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
1.好酸球性食道炎およびバレット食道の臨床像および臨床サンプルを用いた検討 ①臨床像の検討:引き続き、症例の集積を進めていく。抽出した臨床情報(身長・体重・腹囲・アレルギー疾患を含めた併存疾患、生活歴(喫煙、飲酒)、症状、内視鏡所見、発症(診断)時期および出生時の状況、同胞内アレルギー疾患の有無)について、統計学的な解析を進めていく。 ②臨床検体を用いた検討:A~D群のうち、未治療例に対して行った採血(CBC、好酸球数、生化学、IgE、特異的IgE(MAST48)、IL-5、IL-13、eotaxin-3、TSLP)結果およ食道組織の病理学的所見、好酸球浸潤数、バリア機能に関与するepidermal differential complex (EDC)蛋白、TSLP、CAPN-14、eotaxin-3、TGF-βなど好酸球性炎症に関与する因子の蛋白発現(免疫染色)およびmRNA発現(定量PCR)の評価を行う。さらにバレット食道形成に関連するCdx-2、Notchシグナル関連因子(Notch-1、Hes-1、ATOH1)の発現についても同様に解析を行う。 2.バレット食道形成おけるアレルギー因子の関与に関する検討 食道扁平上皮細胞株(Het-1A)およびバレット食道細胞株(CP-A、BAR-T、BAR-10T)を用いた基礎的検討を開始する。まず、各培養細胞株におけるIL-13関連遺伝子プロファイルについてアレイ解析を行う。次にIL-13(100ng/mL)の投与によって培養細胞から発現するeotaxin-3(好酸球誘導ケモカイン)の発現を比較する。さらに、IL-13(100ng/mL)前投与後に酸および胆汁酸曝露を行い、Cdx2プロモーター活性の変化を確認する。これらの検討から、アレルギー性の炎症に対する反応性の違いを検討する。
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Causes of Carryover |
各群の症例登録が予定数よりも少なかったため、臨床検体を用いた免疫染色や分子生物学的解析用の試薬の購入が当初計画よりも少なくなたため。これらの解析は次年度に行う予定であり、そのために次年度使用額が生じた。
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Research Products
(13 results)