2022 Fiscal Year Research-status Report
肝癌特異的な細胞外分泌蛋白を用いた新規早期診断法確立とその実用化に向けた検証研究
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22K08063
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
及川 恒一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20514491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清嗣 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70345312)
坪田 昭人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90322643)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肝癌 / 早期診断 / 型破り分泌蛋白質 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌(HCC)の根治的治療は外科切除が主体であるが、早期発見しさえすれば、ラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓療法等でも十分根治が望める。しかし、胆管・血管内浸潤や遠隔転移を呈するような肝癌症例の多くは幹細胞マーカー陽性で予後不良であるため、より実用的な早期発見法や再発診断法の確立と新規治療法が切望されている。近年、研究代表者は、研究分担者の東京慈恵会医科大学・生化学講座・吉田清嗣教授と山田幸司講師と共に、これまで細胞内のみに局在する分子とされていた核移行蛋白質 PKCδが、 ①肝癌細胞で細胞外分泌され腫瘍形成に重要な役割を果たすこと、②この細胞外分泌は細胞死や細胞障害とは無関係の全く別の機序で放出されていること、③血清PKCδが肝癌患者では健常人や肝癌ハイリスク慢性肝疾患患者と比較し有意に高値であること、④リン酸化蛋白質アレイ解析より、細胞外PKCδはIGF-1Rを介してErk1/2やSTAT3などの増殖シグナルを活性化させ細胞増殖亢進に寄与すること、⑤抗PKCδ抗体投与によりその腫瘍増殖が抑制されることを見出し、PKCδが肝癌の診断に、さらにその機能阻害が将来的な新規肝癌治療への応用に期待ができることを報告した (Yamada, Oikawa et al. Cancer Res, 2021;81(2):414-25)。 そこで本研究では、申請者らが発見した肝癌における “型破り分泌蛋白質” Protein kinase C delta (PKCδ) と肝癌患者の臨床的特徴との関連性を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではHCC診断における血清PKCδの有用性を検証した。慢性肝疾患 (CLD),HCCの血清PKCδをELISA法で測定,感度、特異度、適正cut-offを設定したうえでHCC診断能を既存マーカーAFP/DCPと比較検討した。血清PKCδはCLD群に比較しHCC群で有意に高かった。PKCδのHCC診断能は既存マーカーであるAFP,DCPと有意差はなく,HCC診断能は同等であった。PKCδはAFP/DCPと相関はなく,AFP/DCPと組み合わせることで診断能が向上した。興味深いことにBCLC stage0 超早期HCC診断能はAFP,DCPよりも有意に高かった。
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Strategy for Future Research Activity |
肝癌は世界第4位の死亡数で未だ予後不良であり,ゆえに早期発見が重要である。近年増加中の非B非C-HCCはAFP陽性率が低く,早期HCCのAFP/DCP陽性率も低いことから,進行癌で発見される事が多いことが問題となっている。従って,早期発見を目指したサーベイランスのためのHCC特異的新規バイオマーカーの同定が急務である。 本研究から血清PKCδは,既存の腫瘍マーカーを補完するだけでなく、早期発見が困難なAFP/DCP陰性HCCや早期HCC患者を特定できる新規バイオマーカーとして有用性が期待された。今後さらに血清PKCδと肝癌の臨床的特徴との関連性についての解析を行うために、大規模な多施設共同研究を準備中である。
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Causes of Carryover |
肝癌症例を集積してさらなる血清PKCdeltaの測定および解析を行う予定であったが、予定症例数の血清集積が予定より遅れているため測定を次年度に延期したことが要因である。
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[Journal Article] Protein Kinase C Delta Is a Novel Biomarker for Hepatocellular Carcinoma.2023
Author(s)
Oikawa T, Yamada K, Tsubota A, Saeki C, Tago N, Nakagawa C, Ueda K, Kamioka H, Taniai T, Haruki K, Nakano M, Torisu Y, Ikegami T, Yoshida K, and Saruta M.
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Journal Title
Gastro Hep Advances
Volume: 2
Pages: 83-95
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Extended-synaptotagmin 1 engages in unconventional protein secretion mediated via SEC22B+ vesicle pathway in liver cancer.2022
Author(s)
Yamada K, Motohashi S, Oikawa T, Tago N, Koizumi R , Ono M , Tachibana T , Yoshida A , Yoshida S , Shimoda M , Oka M , Yoneda Y , Yoshida K.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 119
Pages: e2202730119
DOI
Peer Reviewed
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