2023 Fiscal Year Research-status Report
肝がんにおける循環癌間質細胞の特性と臨床的意義の探索
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22K08074
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山下 竜也 金沢大学, 先進予防医学研究センター, 准教授 (30334783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹尾 幸樹 金沢大学, 附属病院, 助教 (80807397)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肝癌 / 癌幹細胞 / 癌間質細胞 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
癌は癌細胞と、周囲に血管新生や線維化、炎症や免疫抑制などに関係する異常な間質細胞である癌間質細胞からなり、固体により異なる個性的な癌細胞社会を形成していく。この活性化した癌間質細胞には血管新生や免疫チェックポイントなど癌治療における重要な標的分子が発現している。本研究は代表的な難治癌である肝癌に着目し、肝癌において癌間質細胞が癌の悪性形質にどのように寄与するのかを解明し、さらに癌局所から全身の血中に流出する循環癌間質細胞(Circulating Cancer-Associated Stromal Cells : C-CAST)の有無とその特性および肝癌バイオマーカーとしての有用性を明らかにする事を目的とした。 本年度は、前年度に肝癌患者2例の末梢血循環細胞を用いた1細胞トランスクリプトーム解析により細胞集団をクラスタリングすることにより同定した肝癌患者に共通する特徴的な循環細胞集団のうち、2つの細胞集団に注目し、共通する末梢血循環間質細胞から、好中球サブタイプに関連する4つの分子に着目し、これら4分子の肝細胞癌末梢血液中の陽性細胞割合と予後との相関解析を行った。 肝細胞癌に対して切除を行った50例の患者末梢血を用いて、フローサイトメトリー解析により4分子の発現割合を算出した。発現割合の中央値で2群間に分けて、それぞれ予後(無再発生存期間、全生存期間)との相関を解析した。その結果、4分子いずれにおいても予後との有意な相関は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度に予定していた肝癌組織を用いた1細胞トランスクリプトーム解析が行えなかった。また、肝癌患者に共通する末梢血循環間質細胞の内、癌診療に資する新規バイオマーカーを同定できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
肝癌組織ならびに末梢血中の癌ならびに間質細胞の解析を進め、癌診療に資する新規バイオマーカーを同定する。さらに新規バイオマーカーの機能解析を通して癌と間質細胞との相互作用を明らかにし、新たな治療法の開発に繋げていく。
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Causes of Carryover |
予定していた肝癌組織を用いた1細胞トランスクリプトーム解析が条件設定などのために行えなかったため、その物品費が余剰となり次年度使用額として繰り越しになった。
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