2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K08110
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
砂河 孝行 自治医科大学, 医学部, 講師 (40418637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤城 大悟 自治医科大学, 医学部, 講師 (40456132)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心線維化 / 低酸素 / NADH |
Outline of Annual Research Achievements |
心線維化は心不全の独立した予後不良因子であるが、現時点で有効な治療法は存在せず臨床的に大きな課題となっている。その為、心線維化の病態・病理解明による治療戦略の確立が求められている。しかしながら、なぜ線維芽細胞が過剰に活性化するのかそのメカニズムは未だ明らかになっていない。心臓線維化領域は細胞成分が少なく虚血環境に陥っている。このような環境下では通常、細胞のエネルギー産生能は低下し、タンパク合成が低下する。我々はこれまでの研究から低酸素環境は転写制御を介さずコラーゲン合成を促進することが明らにしてきた。その中で、低酸素で細胞内に集積するNADHに着目し、低酸素下でのコラーゲン合成に重要であることを見出した。これらの結果から、線維芽細胞は低酸素環境下で細胞内に蓄積するNADHを消費することでコラーゲン合成を行っていると考えられた。In vivoにおける線維化病態においてもNADHによるコラーゲン合成システムが働いているのかについて検討する為、NADHをNAD+に変換する酵素であるLactobacillus brevis由来NADH oxidase(LbNOX)及びミトコンドリア局在ペプチドを付加したmitoLbNOXをマウスRosa26領域にノックインしたマウスを樹立した。今後、心臓を始めとした組織線維化病態モデルを用いて線維化病態におけるNADHの役割を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はおおむね順調に経過している。引き続き研究目標を達成するため、実験計画を継続して遂行する。
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Causes of Carryover |
研究進行に伴い、一部の実験計画を変更した。その為、予定していた実験の一部を翌年度に行うことになった。これに関連する試薬購入の経費についての繰り越しを行った。
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