2022 Fiscal Year Research-status Report
MR血栓イメージングによる急性肺血栓塞栓症の新鮮血栓定量化、及びその臨床的有用性
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22K08133
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
江原 省一 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90382150)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 急性肺血栓塞栓症 / 核磁気共鳴画像 / 血栓 / コンピューター断層撮影 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性肺血栓塞栓症 (pulmonary embolism; PE) における抗凝固療法の効果は、慢性期の患者の予後や生活の質と直結している。現在普及しているCT血管造影による血栓の広がりの定性的評価は急性期の重症度とは相関するが、慢性期の抗凝固療法効果の予見には血栓量のみならず、新鮮血栓がどれだけ含まれるかが重要であり、新鮮血栓を正確に同定・定量化できる画像診断の確立が急務である。我々は、非造影T1強調MR血栓イメージング(magnetic resonance direct thrombus imaging; MRDTI)を用いて、冠動脈壁の高信号はメトヘモグロビンを含む6か月以内の新鮮血栓と関連し、血栓年齢推定に有用であることを報告した。 最近我々は、MRDTIを用いて急性PE患者の肺動脈を撮像したところ、CT血管造影(CTA)にて検出された血栓の一部に高信号が認められ、抗凝固療法を半年継続後には血栓は溶解し、MRDTIでの高信号も消失することも報告している (Yamaguchi T, Ehara S, et al. Eur Heart J Cardiovasc Imaging. 2021;22(11):e159)。 本研究の目的は、急性PE患者において、①CT血管造影(CTA)による総血栓体積(Total Thrombus Volume; TTV)とMRDTIによる新鮮血栓体積(Fresh Thrombus Volume; FTV)、両者の定量化法を確立することと、②抗凝固療法施行後慢性期の血栓消退率や臨床心肺機能との相関を検討し、血栓定量化の有用性を明らかにすることである。さらにこの新鮮血栓定量化法を全身血栓性病変の予後推定、抗凝固療法効果予見へと展開していく。 本年は急性PE患者において、CTAとMRDTIを撮像し、CTAによるTTVとMRDTIによるFTVの定量化法を確立することを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
状態の安定した急性PE患者を対象に、治療前急性期、および慢性期 (6か月以降) に3D-CTA、および3D-MRDTIを撮像し、それぞれの画像を解析ワークステーションであるziostation2に転送する。Zaiostation2内でCT値やMRI信号値をもとに2D Simpson法や3D Volume Rendering法による総血栓体積 (TTV)、および新鮮血栓体積 (FTV) の定量化法を確立を試み、成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
TTVやFTVの定量化はおおむね確立できたので、今後は症例を集積し、急性期、および慢性期の血栓消失率や血行動態との比較検討を試みる予定である。また残存血栓が器質化し、肺動脈が狭窄・閉塞することにより慢性血栓塞栓性肺高血圧症 (chronic thromboembolic pulmonary hypertension; CTEPH) 患者の血栓データとの比較も加え、臨床応用の可能性を探っていく。今後は学会発表や論文作成のための準備として過去の関連論文検索等随時継続していく予定である。
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Causes of Carryover |
現在研究はおおむね順調に進んでいるが、昨年度は画像解析やデータ保存などのための物品費が比較的少なく、今年度に購入予定である。またデータが蓄積してきており、今年度、及び来年度は学会発表、論文作成費に使用する予定としている。
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Research Products
(2 results)