2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of pathophysiological mechanism of cardiac amyloidosis by clonal hematopoiesis
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22K08134
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
泉家 康宏 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10515414)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心アミロイドーシス / クローン性造血 |
Outline of Annual Research Achievements |
クローン性造血とは白血病遺伝子に変異を有した血液細胞が循環血中に増加する現象であり、加齢に伴いその割合は増加する。近年クローン性造血は血液疾患のみならず、心不全を含めた心血管疾患のリスク因子となることが明らかとなってきた。高齢心不全患者で従来考えられていたよりも高い頻度で潜在することが明らかとなってきた野生型トランスサイレチン型アミロイドーシス(ATTRwt)も加齢とともに発症が増加するが、その臨床像にはかなりの個人差が存在し、何らかの後天的因子が疾患発症に関わっている可能性が示唆されている。本研究ではクローン性造血とATTRwtとの関連を調査することでATTRwtの発症メカニズムを明らかにし、造血細胞の老化という観点から新たなATTRwt治療介入標的を探索することを目的とした。 令和4年度は大阪公立大学医学部附属病院で外来・入院診療を行っているATTRwt患者31名と、年齢・性別をマッチングさせた非疾患群50名の血液検査残余検体から末梢血ゲノムDNAの抽出を行った。ATTRwtの診断は心筋生検組織のCongo red染色とトランスサイレチンの免疫染色、およびトランスサイレチン遺伝子検査により確定した。末梢血ゲノムDNAの抽出には市販のキット(キアゲン社: QIAamp DNA Blood Mini Kit)を用いた。また、今後クローン性造血に関するデータと照合し統計学的に検討するため、心電図、心エコー、心臓MRI、血液検査・バイオマーカーなどを含めた対象患者の臨床データベースを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスサイレチン型心アミロイドーシス患者及び対象群の検体集積は予定通り進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度はこれらの検体を使用し、Illumina社のプラットフォームを用いたTargeted exome sequencingを行う予定である.得られたクローン性造血に関するデータとその他の臨床データを照合して、クローン性造血の発症率に差があるか、クローン性造血遺伝子に違いがあるか、クローンサイズに差があるかを統計学的に検討する予定である.
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Causes of Carryover |
令和4年度に施行する予定であったTargeted exome sequencingを令和5年に行うこととしたため、次年度使用額が生じた。本実験は令和5年度に施行予定である。
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