2022 Fiscal Year Research-status Report
冠攣縮性狭心症の成因における血管平滑筋収縮の情報伝達系の役割の解明
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22K08145
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
渋谷 修司 弘前大学, 医学研究科, 講師 (10712599)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 冠攣縮性狭心症 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、まず、冠攣縮性狭心症の重症例の患者3例の血液または線維芽細胞を採取し、これらの細胞にNucleofector2Bを 使用してエレクトロポレーションを行い、初期化に必要な遺伝子を導入しiPS細胞を樹立した。 そして、安定して維持培養が可能になった株について、血管平滑筋の分化誘導を行い、分化誘導率の高い株をピックアップし、それらに核型検査を行い染色体異常がないことを確認した。そのiPS細胞をCHIR99021、BMP4を作用させ中胚葉を分化させ、PDGF-BB、ActivinAを作用させて、血管平滑筋に分化誘導させた。ASMA、SM22αなどの血管平滑筋特異的マーカーをqPCR、フローサイトメトリー、免疫染色などで評価することで、 血管平滑筋細胞に分化誘導されていることを確認した。 また、iPS細胞をCHIR99021、BMP4を作用させ中胚葉を分化させ、VEGFとforskolinを作用させて、CD144陽性の血管内皮細胞を誘導 し、フローサイトメトリーにてそれらの細胞をソートできることを確認した。 そして、分化誘導した血管平滑筋細胞のベースラインでの細胞内カルシウム濃度を計測し、アセチルコリンを投与しその細胞内最大増加カルシウム濃度を計測しコントロール群と比較、ベースラインでの細胞内カルシウム濃度はコントロール群と有意な差がなかったが、アセチルコリン投与後の細胞内最大増加カルシウム濃度は冠攣縮性狭心症群で有意に高くなることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PLC活性に習熟したスタッフが現在いないため、PLC活性の測定に難渋している
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Strategy for Future Research Activity |
現在、これらiPS細胞から分化誘導した血管平滑筋細胞のPLC活性とCav1.2型Caチャネルのリン酸化のレベルを評価している。
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