2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of myocardial energy metabolism using an ATP visualization model in the progression of hereditary cardiomyopathy
Project/Area Number |
22K08150
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小板橋 紀通 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10420093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 正道 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任部長 (70423150)
魚崎 英毅 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90740803)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 心筋症 / 可視化 / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
拍動しつづける心臓はエネルギーを持続的に必要とし, 細胞の基本的なエネルギー基質であるアデノシン三リン酸(ATP) をもっとも多く必要とする臓器である. 心筋のサルコメアはATPによってリン酸化をうけ, アクチンとミオシンのクロスブリッジが起こり, 細胞が収縮し, 心臓に血液を駆出する「力」を発生させる. 常に動き続ける心臓でこのエネルギー代謝をリアルタイムにモニターすることはこれまで不可能であった. 我々はATP濃度の変化を可視化するFRET蛋白質を利用してATP変動をin vivoで計測できるマウス (cytATeamマウス) を開発した.今回, ヒトの遺伝性心筋症の原因となる遺伝子バリアントをノックインした心筋症マウスモデルを新規に作成し, その病態形成に心筋におけるATP動態がどのように影響するのか, 検討する. さらに既知の心不全治療薬やミトコンドリア機能に作用する薬剤が心筋症心臓のATP動態へどのように影響するかをみることにより, 心筋症治療への新たな治療に繋がる可能性がある. 我々は, 日本において同定された遺伝性心筋症の家系で同定されたMYBPC3遺伝子のバリアント (Arg820Gln:R820Q) (Konno et al. J Am Coll Cardiol 2003) をノックインしたマウス (MyBP-KI)を作成し, フェノタイプ解析を行った. このマウスにおいてRNA sequenceによる遺伝子変化を検討すると, ノックインマウスにおいて, ミトコンドリア関連もしくはエネルギー代謝関連の遺伝子群において, 低下が起こっていることが分かった. 現在, こMyBP-KIマウスとATeamマウスを掛け合わせ, 解析を行っている. 現時点では, 心臓リモデリングが進行する前に, ATPの動態の異常が先行することが判明している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定通り進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
病的ストレス(イソプロテレノールやアンギオテンシン、圧負荷)の反応をみる。
|
Causes of Carryover |
研究の進捗で一部に若干の遅れがあり(実験動物の生育およびCOVID-19の影響)、次年度に繰り越さざるをえない状況になりました。
|