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2023 Fiscal Year Research-status Report

肺マイクロバイオームの変容と自然免疫応答異常に注目したIPF病態の解明

Research Project

Project/Area Number 22K08234
Research InstitutionSapporo Medical University

Principal Investigator

千葉 弘文  札幌医科大学, 医学部, 教授 (40347175)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 齋藤 充史  札幌医科大学, 医学部, 講師 (00768939)
黒沼 幸治  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (40563250)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords特発性肺線維症 / マイクロバイオーム / 自然免疫 / 肺サーファクタント蛋白
Outline of Annual Research Achievements

近年、IPFの病態は、炎症性傷害の修復機転として生じる線維化ではなく、原因不明の肺胞上皮傷害と、これに引き続く線維芽細胞巣の増殖が本質であると提唱されている。しかし申請者は、これまで継続してきた肺サーファクタント蛋白質を含む自然免疫機構に関する研究から得られた知見を基盤として肺マイクロバイオームとの関連を考察する中で、IPF患者の肺内ディスバイオシスに対する自然免疫応答は、IPFの病態に重要な役割を担うとの仮説に至った。本研究によって、抗菌薬やプロバイオティクスによる細菌叢の正常化、申請者らが継続して研究している肺サーファクタント蛋白質の自然免疫に対する調節機能を利用した治療など、IPFに対する新しい治療法の開発が期待される。今回の研究成果として、IPF患者の肺マイクロバイオームの多様性の低下が早期死亡と相関することを示した。次に肺内で抗菌活性や抗炎症作用など肺の自然免疫に重要な役割を果たしているSurfactant Protein A(SP-A)と肺内細菌叢の関係についてSP-A欠損マウスを用い検討した。結果、SP-A欠損肺では対照群と比較して週齢に従って細菌叢が変化することが明らかとなった。この結果は肺の自然免疫そのものも肺内細菌叢の恒常性維持と関連することを示唆している。
さらに肺胞マクロファージは肺内の自然免疫に重要な役割を担っているが、マクロファージの機能不全が線維化の進展と関連している可能性について検討した。結果として、間質性肺疾患の肺胞マクロファージでは基礎呼吸が低下していること、Proton leakが上昇することが示された。このことから、活性酸素、ミトコンドリア内膜障害、酸化ストレスなどが関与しマクロファージの機能が低下していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究計画にある肺線維症モデル肺胞マクロファージの活性化と肺線維芽細胞の遊走能との関連(細胞間クロストーク)についての検討において肺線維芽細胞の分離培養が技術的に上手く行っていない。
研究計画にある生体内での病態の再現と治療法(抗菌薬、組み換えサーファクタント蛋白質)についてのマウスモデルを用いた検討が実験時間の確保ができず進んでいない。

Strategy for Future Research Activity

研究計画にある肺線維症モデル肺胞マクロファージの活性化と肺線維芽細胞の遊走能との関連(細胞間クロストーク)についての検討において肺線維芽細胞の分離培養を他の研究者の助言を得て確立し遊走能等の実験につなげる。
研究計画にある生体内での病態の再現と治療法(抗菌薬、組み換えサーファクタント蛋白質)についてのマウスモデルを用いた検討を進める。

Causes of Carryover

研究計画がやや遅れており、未実験の肺線維症モデル肺胞マクロファージの活性化と肺線維芽細胞の遊走能との関連(細胞間クロストーク)についての検討、生体内での病態の再現と治療法(抗菌薬、組み換えサーファクタント蛋白質)についてのマウスモデルを用いた検討を実施するために使用する。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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