2023 Fiscal Year Research-status Report
Immunological analysis of the efficacy of SDF-1/CXCR4 inhibitors in idiopathic pulmonary fibrosis
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22K08239
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
安藤 航 北里大学, 薬学部, 助教 (60586387)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は6から7週齢の雄性Lys-M Cre Cxcr4 flox/flox(cKO)マウスおよびコントロールとしてC57BL/6系統野生型マウスにて、麻酔下にてブレオマイシン 1.5mg/kgを経気管投与し、day 0, 14, 21にて肺を摘出した。摘出した肺は病理切片を作製した後、 HE染色、マッソントリクローム染色およびシリウスレッド染色にて、肺組織における病理像、線維化像を観察した。また、コンピュータによるコラーゲン染色された面積の画像解析にて、線維化の程度を比較した。組織切片の観察ではday 14および21において、cKO群がわずかに高い線維化を示したが有意な差は認められなかった。また、染色面積の画像解析においても有意な差は認められなかった。次に、肺組織中の線維化の程度を定量するために3-hydroxyprolineの定量解析を実施した。組織切片の解析結果と同じくcKOにおいて僅かにcKO群が高い3-hydrpxyproline量が高値であったが有意な差は認められなかった。以上の組織解析と3-hydrpxyproline量解析ではcKOとコントロールに差は認められなかったが、cKO群がコントロールと比較してより強い体重減少を示し、生存率も低下していた。性差の違いを検討したところ、雄性マウスにおいてより著明なことが明らかになった。ブレオマイシンを投与した雄性マウスのday14における生存率は約40%であり、コントロールは80%であった。故に、線維化の程度に違いが見られなかった理由として、day14, 21のサンプリングまでの間にcKO群においてブレオマイシンの毒性が増強した結果、サンプリング前に死亡してしまったことが考えられた。そして線維化の進展の観察では、生存したマウスのみで解析をしたため、前述の強い毒性が認められた群を含む解析をすることができなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究は概ね順調に進行していたが、ブレオマイシン誘発肺線維症モデルの作製実験において、投与量の検討を繰り返したことにより、予定していた病理組織解析に遅れが生じたため、「(3)やや遅れている。」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度では、ブレオマイシン投与後day 3, 7 ,10の比較的早期のサンプリングを実施し、サイトカイン・ケモカインや線維化進展に関与するシグナル伝達に関する解析する予定である。また、マクロファージ上のCXCR4シグナルがブレオマイシンによる組織障害と線維化にどのように関係するかについて、特に投与早期の急性の肺損傷や炎症においてどのような役割を担うかについて論文等から情報をあつめメカニズムの推定を進める予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画に遅れが生じたため、本年度に使用するはずの試薬等の消耗品の購入を見送ったため次年度使用額が生じた。
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