2022 Fiscal Year Research-status Report
The Effect of Allicin for Pulmonary Fibrosis
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22K08241
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
加藤 元康 順天堂大学, 医学部, 助教 (70750313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十合 晋作 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80365634)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アリシン / 肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
アリシンを含む硫化アリルには以前より殺菌作用や抗腫瘍効果、抗炎症効果、腎血管硬化や動脈硬化などに対する有効性の報告があった。しかしアリシンの急性肺障害や肺線維化への有効性はいまだに分かっていない。C57BL/6マウスにブレオマイシン(BLM)を気管内投与して、気管内投与後8日でサクリファイスすることで肺障害、22日目でサクリファイスすることで線維化の評価を生じる系を構築し、さらに薬剤、本検討ではアリシンを経口投与することでアリシンの抗炎症効果および抗線維化効果を確認した。その結果、アリシンはBLMにより誘導された肺障害及び線維化を有意に抑制することを確認した。また、両評価系において気管支肺胞洗浄液の総細胞数やリンパ球などのBLM投与による増加を有意に抑制した。さらに、ヒト肺線維芽細胞株(HFL-1)をTGFβ1により刺激するin vitro評価系を構築し、アリシンを共刺激することで肺線維芽細胞におけるアリシンのTGFβ1誘導性の細胞外マトリックスの増生の抑制効果があるかを検証した。その結果、TGFβ刺激によるファイブロネクチンの上昇および筋線芽細胞のマーカーであるαSMAの発現をアリシン投与により改善させることを確認した。また、肺線維化の重要なシグナルと考えられるTGFβ/SMAD経路の重要な因子であるSMAD3のリン酸化をアリシンが抑制することも明らかにした。また、線維芽細胞の機能活性である遊走能およびコラーゲンゲル収縮能について評価し、アリシンはともに改善することを確認した。本年度はこのようにアリシンの線維化抑制におけるin vitro評価系における評価を主に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はアリシンの肺線維化抑制効果、および肺障害抑制効果について、BLMをC57BL/6マウスに投与したin vivoモデルおよびヒト肺線維芽細胞株HFL-1をTGFβ1で刺激したin vitroモデルの構築および薬剤投与による有効性の確認を主に行った。その結果、アリシンはBLM肺線維症および肺障害モデルにおいて線維化抑制、肺障害抑制を確認し、TGFβ刺激による細胞外マトリックスやαSMA、SMAD3リン酸化の抑制を確認した。また線維芽細胞の機能活性である遊走能およびコラーゲンゲル収縮能について評価し、アリシンはともに改善することを確認した。研究はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はBLM肺線維症モデルの肺組織における免疫染色を試み、phosphoSMAD3やファイブロネクチンなどで染色を行い検証を行う。さらにはTGFβ経路抑制の更なるメカニズムの検証を行う。 今後アリシンを用いた臨床研究を行う可能性もあり、まずはアリシンを含めた硫化アリルを含有する薬やサプリメントなどを用いた他疾患を含めた過去の臨床試験の実施有無を確認する。有害事象については特に過去の試験結果について確認する。実施可能であれば臨床試験のプロトコール作成に着手する。
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Causes of Carryover |
実際に手を動かす大学院の研究開始時期の問題から、実質的な研究(実験)開始が11月であったため若干の繰り越しが発生してしまった。4月以降は順調に研究を遂行しており、繰り越し分と2023年度分を合わせて2023年度は使用完結する予定である。
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