2023 Fiscal Year Research-status Report
小細胞肺がんのサブタイプと細胞表面たんぱく質に着目した個別化医療の実現
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22K08252
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 広祐 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50644291)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小細胞肺がん / 細胞表面タンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
小細胞肺がんは、分子標的薬の良い標的となる遺伝子異常に乏しく個別改良が実現していない。近年、小細胞肺がんをmRNAの発現プロフィールに基づいてサブタイプ分類することが提唱されている。サブタイプによって異なる生物学的特性を有していると考えられ、治療標的も異なる可能性が想定される。本研究課題では細胞表面タンパクに着目し、各サブタイプによって発現が増加している細胞表面タンパク質を同定し、その機能解析を通じて発がんにおける意義や治療標的の可能性を明らかにすることを目的としている。 公開されている発現データベースを解析し、小細胞肺がんの特定のサブタイプによって発現が増加している細胞表面タンパク質を検索し、ASCL1サブタイプにおいて発現が増加している遺伝子Xに着目し機能解析を進めている。複数の小細胞肺癌細胞株で遺伝子Xをノックダウンすると細胞増殖が抑制され、Ki-67陽性細胞の割合が減少することが確認された。また、遺伝子Xが低発現の小細胞肺癌細胞株を用いてレンチウイルスベクターで遺伝子Xを強制発現すると、増殖の促進され、より大きな細胞集塊が形成された。以上より遺伝子Xは小細胞肺癌の細胞増殖に関わっており、新たな治療標的となりうることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
浮遊細胞を用いたsiRNAやレンチウイルスベクターの実験で条件検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
FACSを用いた細胞周期やアポトーシスの解析を実施する。また、細胞増殖抑制のメカニズムを検討するために、RNA-seq等による網羅的な遺伝子発現解析を実施したい。
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Causes of Carryover |
最終年度にRNAシーケンス等の網羅的解析を予定しており、そのための予算を残す必要があったため。
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