2023 Fiscal Year Research-status Report
genetic factor in pulmonary fibrosis of sarcoidosis
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22K08254
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古澤 春彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40632154)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サルコイドーシス / RNAシークエンス / 気管支肺胞洗浄 / 遺伝子研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコイドーシスは原因不明の類上皮肉芽腫を形成する全身性疾患であり、肺・眼・皮膚・心臓・神経など多臓器に肉芽腫を形成する。その臨床像は極めて多彩であり、人種や民族により異なった経過を示す。北欧ではLofgren症候群と呼ばれる急激に発熱・関節痛と皮膚病変を伴い発症し速やかに緩解する疾患群が存在する一方、欧米では肺線維症により死に至る症例が多い。本邦では相対的に肺病変が線維化し悪化する症例は少ないがぶどう膜炎や心臓病変を伴うことが多く治療に難渋する症例も多い。これらの民族差や、一部の症例で遺伝性がみられることからサルコイドーシスの発症に遺伝素因があると考えられることから、サルコイドーシスの肺病変線維化など重症化に関わる遺伝素因を明らかにすることを目的として本研究を行うこととした。本研究の目標は、①肺線維化に特徴的な遺伝子発現やたんぱく質発現を同定すること、②肺線維化に特徴的な遺伝子発現やたんぱく質発現を同定することである。 ①について、現在サルコイドーシス患者約700例の臨床経過や血液データ・気管支肺胞洗浄液を取得しており、うち約180例のDNAと80例のRNAを収集した。クオリティコントロールを行い、61例のサルコイドーシス患者、対象として10例のIPFを最終的にRNAシークエンスを施行した。肺病変を持つ症例に・心臓病変を持つ患者に特徴的な遺伝子発現を確認し、現在解析を行っている。今後WGCNAなど罹患臓器や発症様式・重症度などと遺伝子発現の相関を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNAシークエンスは測定終了し、現在解析中である。現在収集したDNAサンプルについて、網羅的解析に提出する準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
サルコイドーシス患者のmRNAシークエンスは施行しており、現在発現解析やenrichment解析を行っている。今年度中にGWASなどの網羅的な解析を開始する予定であるが、一部の症例で血清や気管支肺胞洗浄液上清についても取得できたため、今後資金面・時間面で余裕がある場合はプロテオミクス解析などによる網羅的解析やmRNAシークエンスで有意であった遺伝子がコードするタンパクの測定も行っていきたい。
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Causes of Carryover |
現在患者DNAは収集中であり、GWASやジェノタイピングを2024年度下半期に施行する予定だが、バッチ効果を最小限とするため検体は一括して測定を検討している。現在上半期に収集が完了する予定であり、その際に一括した測定を行う予定である。
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[Presentation] サルコイドーシス患者の心病変発症様式の検討2023
Author(s)
井上 渉, 古澤 春彦, 島田 翔, 園田 史朗, 榊原 理江, 柴田 翔, 本多 隆行, 白井 剛, 岡本 師, 立石 知也, 宮崎 泰成
Organizer
日本サルコイドーシス学会