2022 Fiscal Year Research-status Report
治療抵抗性獲得に関与する小細胞肺癌機能性RNA分子アトラスの構築
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22K08260
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
水野 圭子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (50531414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小細胞肺癌 / 治療抵抗性 / 機能性RNA / スーパーエンハンサー / ATACシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
小細胞肺癌(Small Cell Lung Cancer : SCLC)の臨床的特徴として、初回の放射線療法または薬物療法の反応性は多くの症例で認められるが、殆どの症例で治療後に治療抵抗性を獲得する。治療抵抗性を獲得した症例に対する治療選択肢は限定的であり、その生命予後は極めて不良である。治療抵抗性を獲得した癌細胞に対して、治療抵抗を解除する新規治療法の開発は重要な課題である。そのためには、癌細胞が様々な治療に対して、治療抵抗性を獲得する分子機序の解明は不可欠である。近年、細胞の運命を決定する極めて重要な場面において、ゲノム上で「スーパーエンハンサー:SE」と定義される強力な転写制御領域が形成され、細胞の運命を決定する機能性分子を発現誘導するという概念が提唱された。この概念を治療抵抗癌細胞に適応させると、癌細胞が抗癌剤などの薬剤に暴露された際に、癌細胞は自らの生存を賭けて、SE を形成し、治療抵抗性に関与する機能性分子を強力に発現すると考える。これまでに、申請者は治療抵抗性に至ったSCLC 組織(剖検検体)から、機能性RNA(蛋白コード遺伝子およびマイクロRNA)の発現プロファイルを作成している。本研究では、治療抵抗性を獲得した癌細胞のSE を同定し、「治療抵抗性SCLC機能性RNA 発現プロファイル」を統合させることで、治療抵抗性に関与する「マスター分子」を同定することが可能であると考えた。「マスター分子」は、治療抵抗性を解除する新規治療法の標的分子である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗癌剤耐性株の作成にやや時間を要したため、転写調節領域を検出するためのシークエンス解析を開始する時期が予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ATACシークエンスの結果を踏まえ、薬剤暴露に伴い形成されるスーパーエンハンサー領域またはオープンクロマチン領域の情報と、我々が既に有している「治療抵抗性 SCLC 機能性RNA 発現プロファイル」の情報を統合させることで、SCLC 細胞の抗癌剤耐性に関与する機能性RNA 分子の時間的階層性を明らかにする。時間的階層性から、抗癌剤暴露時の早期に転写される「マスター分子」を選択する。
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Causes of Carryover |
抗癌剤耐性株の作成にやや時間を要したため、転写調節領域を検出するためのシークエンス解析分の費用が一部次年度に繰り越すことになった。
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Research Products
(1 results)