2022 Fiscal Year Research-status Report
小細胞肺癌における網羅的RNA解析と機械学習による免疫療法奏功予測パネルの開発
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22K08262
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
藤本 大智 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30895545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 弘朗 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10646582)
山本 信之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60298966)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バイオマーカー / 小細胞がん / 機械学習 / RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
世界最大規模の前向き臨床研究登録患者のRNA解析データを用いた検討を行っており、初回治療としてICI包含治療を受けた小細胞肺癌患者における次世代シーケンサーを用いた網羅的RNA解析データを用いて2022年度はRNAパネル作成を行っている。 小細胞肺癌においてはRNA解析における数種類の遺伝子発現により、サブタイプ分類し、様々な薬剤効果予測や予後予測を行うことが注目されている(Rudin CM, et al. Nat Rev Cancer 2019)。しかし、それら数種類のRNA解析データによるサブタイプとICIの長期奏功の関連性については、未だ検討段階であり、網羅的RNA解析データを用いてICIの長期奏功と関連する遺伝子発現の同定を試みることは世界にも例を見ない。また、臨床応用という観点から考えると、網羅的RNA解析データをそのまま活用するには多くの障壁がある。網羅的RNA解析データは非常に多くの情報を持ち、従来のgene set enrichment analysisやpathway analysisなどの方法では遺伝子発現自体が増強しているかどうかの判断はできるものの、万単位におよぶ遺伝子発現間の相互関係性を含めて総合的客観的に判断することは困難である。以上の問題点を解決する方法として我々は機械学習を用いた解析を考えた。近年限られた症例数において多数の因子から治療効果との関連因子を相互関係性に考慮しながら同定する方法が機械学習にて行われている。以上のように網羅的RNA解析データと機械学習解析により、総合的客観的にICIの長期奏功と関連する遺伝子候補を同定し、現段階でパネル作成を終えている。以上の成果は非常に重要な成果と考える
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の目標として網羅的RNA解析データを用いた機械学習解析、カスタムRNAパネル作成を挙げていたが、網羅的RNA解析データを用いた機械学習解析を終え、遺伝子の中から治療効果と関連すると考えられる遺伝子を約100抽出することに成功している。また、その遺伝子を採用したカスタムRNAパネル作成については終了している。今後研究費を配慮してValidation cohortを新規作成するのでは無く、同一コホートの患者を用いてパネルにて測定を行い、治療効果のためのスコアリングを行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
パネルによる測定を年度の上半期で終え、下半期はスコアリン方法の検討を行う予定である。
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