2022 Fiscal Year Research-status Report
次世代プロテオミクスが紐解く個別化医療に有用なPF-ILDの新規BM開発
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22K08283
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 吉人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40452388)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エクソソーム / マルチオミクス / バイオマーカー / PRISM / AI / システムバイオロジー / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis:IPF)は、遺伝的素因に加齢・環境・喫煙などの外的要因が慢性的に加わることで発症する複雑多様な難病である。近年、進行性線維化を伴う間質性肺疾患(progressive fibrosing interstitial lung disease:PF-ILD)におけるニンテダニブの有効性が示されため、診断・治療・新薬開発ストラテジーのパラダイムシフトとして特異性の高いバイオマーカー(BM)開発と更なる病態解明が急務とされる。 種々の細胞が分泌するエンドソーム由来の細胞外小胞(エクソソーム)は、新たな細胞間・臓器間のコミュニケーション手段として注目されている。申請者は、独自に作成のマウスモデルやCOPD患者のエクソソームについて次世代プロテオミクスを駆使したアプローチから、病態や診断に有用な新規BMを同定してきた。さらに、官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)により大阪大学におけるPF-ILDを含む600例のカルテ情報だけでなく、エクソソームの最新プロテオミクスによる国内最大のデータベースを取得した。本研究目的は、PRISMデータを活用し、血中エクソソームの次世代プロテオミクスによる疾患特異的BMを探索することにより、抗線維化薬の対象となるIPFとPF-ILDにおいて個別化医療を目指した診断・病態解明・治療に役立てることである。本事業からPPFの新規BMの同定に成功するだけでなく、新規BM分子について、新規線維化機序解明に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本事業からPPFの新規BMの同定に成功するだけでなく、新規BM分子について、新規線維化機序解明に至った。概ね順調な進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
新規BMの実用化を目指すとともに、病態解明のためのKOマウス作成と治療応用を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、今年度に大量の解析予定のため、未使用にて持ち越した。次年度に、オミクス解析に供する予定である。
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