2023 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫性肺胞蛋白症に対する全肺洗浄の作用機序を理解するための基盤研究
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22K08284
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂上 拓郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00444159)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己免疫性肺胞蛋白症 / 単球 / 肺胞マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は、肺胞蛋白症における全肺洗浄が効果を発揮する意義を解明するための基盤情報を得るところにある。そのために、全肺洗浄による末梢血中の単球プロファイルの変遷 と、周囲環境である血中サイトカインプロファイルを検討を進めている。 令和5年度にも当施設で行われた自己免疫性肺胞蛋白症例に対する全肺洗浄前後のPBMC検体のタイムコースでの採集を進めた。2例からの検体を追加している。また、肺胞蛋白症例の白濁した洗浄液より細胞成分を解析に耐えうる状態で採取してくるための方法の確立を試みた。肺胞蛋白症の肺胞洗浄液はサーファクタントだけでなく様々な老廃物が蓄積しており、その詳細は明らかになっていない。単純な密度勾配分離法では生細胞を分離することが困難であることから、その分離をするために密度勾配分離法を様々な条件検討を行うことによりアレンジした。最終的に顕微鏡画像的には周囲のデブリ成分をほぼ除去した細胞を単離する条件を確認した。フローサイトメトリ―による単球表現型の解析も複数の表面マーカーによる単球のフェノタイピングを行うための予備検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の新型コロナウイルス感染症対応に対しての過大なエフォートによる遅れから挽回がし切れていない。また、検体収集は施設での全肺洗浄数に依存することからその数は一定ではなく、昨年度は症例集積数が予測していたよりも少なかったことも影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度には集積症例のPBMC検体と、肺洗浄液より分離した肺胞マクロファージのバルクRNA解析を外部委託で進めデータ解析を行う。また、血清プロファイルについても同様に委託検査にて進めていく計画としている。
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Causes of Carryover |
検体収集が律速となっており、そこに遅れがみられていることから実験計画全体に遅れが生じている。試薬の購入を見込んでいるが、既に準備していた試薬で検討が進める事が今年度は可能であった。次年度には解析の進行が予定されることから予算執行が必要となると考えられる。
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