2022 Fiscal Year Research-status Report
真菌由来天然物を用いた糖尿病性腎症の新たな治療戦略の構築
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22K08318
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
柴田 佳太 昭和大学, 薬学部, 准教授 (50727328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮見 惠司 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20208474) [Withdrawn]
野部 浩司 昭和大学, 薬学部, 教授 (30276612)
古林 創史 昭和大学, 薬学部, 講師 (50511531)
寺崎 道重 昭和大学, 医学部, 講師 (90621342)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 / SMTPs / 抗炎症作用 / 抗酸化作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は代表的な生活習慣病のひとつであり、脳・心血管疾患などを引き起こす要因となることから、これまで多様な血糖降下薬が世界中で開発されてきた。しかし、糖尿病に伴い発症する三大合併症 (腎症、網膜症、神経障害) に関する検討は遅れており、有効な治療法や治療薬は存在していない。本研究は、糖尿病性腎症に着目し、新規治療薬の探索およびそれらの作用メカニズムを解明することを目的として開始された。令和4年度は、『SMTP-18, -26, -27, -44D は糖尿病性腎症モデルマウスの腎症を改善するのか』という問に対し、以下の点について明らかにした。 1. 糖尿病性腎症に対して効果を示す SMTPs の探索:我々がこれまでに実施してきた方法に準じ、糖尿病性腎症モデルマウスを作製し、血中尿素窒素、血清クレアチニン、クレアチニンクリアランス、尿中アルブミン、ナトリウム排泄率、さらには糸球体尿細管の傷害を指標として、SMTP-18, -26, -27, -44Dの薬効を評価した。その結果、SMTP-27およびSMTP-44Dが糖尿病性腎症に対して著明な効果を示した。 2. メトホルミンとの効果比較:糖尿病性腎症に対して効果が認められた SMTP-27 および SMTP-44D を用いて、糖尿病の第一選択薬であるメトホルミンの糖尿病性腎症に対する効果と比較検討した。SMTP-27 および SMTP-44D は、メトホルミンのような血糖降下作用を示さなかったが、腎機能の低下および糸球体や尿細管への傷害は、メトホルミンよりも改善することが示唆された。 3. SMTPsの用量依存性:糖尿病性腎症に対して効果が認められた SMTP-27 および SMTP-44D がいずれも用量依存的に腎機能を改善してることが示唆された。 4. SMTP-44Dの作用メカニズムの検討:これまで報告されていた sEH 阻害作用に加え、AGEs-RAGE経路を抑制することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度である本年度は、糖尿病性腎症モデルマウス用いて、SMTP-18, -26, -27, -44D の腎症に対する効果を検討した。その成果として、SMTP-27 および SMTP-44D が、メトホルミンのような血糖降下作用を示さず、糖尿病性腎症に対して著明な効果を示すことが示唆された。また、その効果は用量依存的であることも示唆された。 これらの発見は、SMTP-27 および SMTP-44D が糖尿病性腎症の新規治療薬としての将来性を示す可能性を示唆している。当初の予定として令和 4 年度に実施予定であった適切な投与タイミングの検討は実施できなかったが、代わりに作用メカニズムの検討を開始することができ、SMTP-44DがAGEs-RAGE経路を抑制することを明らかにできたことから、本研究はおおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和 4 年度の研究において、SMTP-27 および SMTP-44D が、メトホルミンのような血糖降下作用を示さず、糖尿病性腎症に対して著明な効果を示すことが示唆された。また、その効果は用量依存的であることも示唆された。今後は、この結果をもとに、SMTP-27 および SMTP-44D の作用メカニズムを、in vivo および in vitro の観点から検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
予算より133円の余剰分が生じたが、これは誤差範囲であり、次年度消耗品として使用する。
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[Presentation] ハンドセラピー施術と冷却法の併用によるCIPNしびれ予防改善効果とメカニズムの解明2022
Author(s)
佐々木 晶子, 篠内 良介, 柴田 佳太, 古林 創史, 芦野 隆, 坂井 信裕, 山口 真帆, 佐藤 ゆり絵, 細沼 雅弘, 辻 まゆみ, 野部 浩司, 木内 祐二, 垂野 香苗, 中村 清吾
Organizer
第60回日本癌治療学会学術集会
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