2022 Fiscal Year Research-status Report
シングルセル解析を用いた糖尿病腎線維化プロセスの解明
Project/Area Number |
22K08322
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
林 義大 島根大学, 医学部, 医科医員 (60868636)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 腎線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにdb 遺伝子の自然突然変異によりCD-1マウスは肥満と糖尿病を起こすという報告がある(Julie A.Brown et al, Am.J.Physiol. Regulatory Integrative Comp. Physiol. 2000) が、我々の予備的検討でもCD-1db/dbマウスが強い腎線維化を認めるものの、その詳細な機序に関しては明らかにできていない。本研究では①CD-1db/dbの腎にてシングルセル解析を行い、糖尿病状態の腎構成細胞で誘導されるシグナルおよびBKSdb/dbとの表現系の違いを生じる原因、②ストレプトゾトシン(STZ)誘導1 型糖尿病マウスの腎にてシングルセル解析を行いSGLT2阻害薬の腎線維化抑制プロセス及び腎構成細胞に及ぼす影響、を明らかにすることを計画した。本解析の完遂は臓器線維化を伴う2 型糖尿病モデル動物の提供及びその機序の解明につながる。また、マウス系統間での腎線維化に関しての検討で得られる知見は人種間での腎表現系の差異が生まれる原因の解明に寄与する可能性がある。加えて、SGLT2阻害薬を用いた検討では線維化抑制に関与するシグナルを解明することで、糖尿病腎症の克服を目標としている。現在、マウスの腎臓においてシングルセル解析に使用する単細胞懸濁液の調整と条件設定を行っている。本年度中に研究室を移動したことで新任地での機器導入が必要となったが、半導体不足による必要機器の納入が遅れたことなどが影響し、シングルセル解析を行うには至っていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度中に研究室を異動したことに伴い、新任地にて本研究に使用する機器の導入が必要となったが、半導体不足による機器納入の遅れにより研究が進められず、進捗状況に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究に必要な機器はすべて導入されたため、計画変更はせず推進する予定である。
|
Causes of Carryover |
機器導入の遅れによって本年度使用予定であった動物購入費、シングルセル解析のためのキット・試薬費、抗体・免疫組織学用試薬費を使用しなかったため当該助成金が生じた。次年度より予定通りの研究計画を再開するため、上記購入費として次年度分に使用する。
|