2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the role of the Keap1-Nrf2 mechanism in the regulation of glomerular filtration rate (GFR)
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22K08323
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
城所 研吾 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50435020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
長洲 一 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40412176)
角谷 裕之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70509265)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Keap1-Nrf2 / GFR制御 / TRPC / 細胞内カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
Keap1-Nrf2経路は、抗酸化因子の発現を包括的に制御する生体防御機構である。Keap1-Nrf2は抗酸化因子の発現制御に関わるため、活性酸素種(ROS) 制御が潜在的にGFR制御に関与していることが示唆されるが、詳細なメカニズムは不明である。ポドサイトは、アクチンやミオシンなどの収縮蛋白を有していることから、有効濾過面積の調節に関与している可能性がある。また細胞収縮は細胞内カルシウムに依存しており、redox感受性カルシウムチャネルTRPCはポドサイトにおける主要なカルシウム流入経路である。Nrf2/TRPC経路によるカルシウム動態制御に着目し、Nrf2活性化に伴うGFR上昇機序の解明を目的に研究を行った。 C57BL/6マウス(Cont.)、Nrf2欠損マウス(Nrf2-KO)、Keap1-knockdownマウス(Keap1-KD)を用いた。Nrf2活性化薬(dh404)を1週間投薬し、GFRを評価した。In vivo imagingにて糸球体輸入/輸出細動脈径(AA/EA)を評価した。単離糸球体、培養ポドサイトを用い、過酸化水素刺激による細胞内カルシウム濃度変化、およびdh404による変化を評価した。TRPC5/6の阻害薬を用い、ポドサイトへのカルシウム流入経路を確認した。 dh404投与群、Keap1-KDではGFRの有意な上昇を認めた。Nrf2活性化群ではAAの拡大が見られたがAA/EA ratioは有意差なく、またNrf2活性化群においては糸球体容積の増大を認めた。dh404は過酸化水素によるポドサイトへのカルシウム流入を抑制した。またTRPC5/6阻害薬によってもカルシウム流入が抑制された。Nrf2活性化は、Redox感受性TRPCからのカルシウム流入を抑制することで細胞収縮を抑制し、糸球体濾過面積を増大させGFRを増加させることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
入念に予備実験を行なっていたため、実験計画の大きな変更なく、想定通りの実験結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
ポドサイトにおけるTRPC活性が、実際にGFR制御に関与するかの検証を行う予定である。TRPC5/6欠損マウス、あるいはfloxマウスを用いてポドサイト特異的TRPC5/6欠損マウスの作成を追加で予定している。時間的猶予がなければ、TRPC6阻害薬、TRPC5阻害薬を用いた実験を行う。それぞれのマウス、あるいは阻害薬にてGFRの上昇が確認できれば、TRPCとGFR制御における関連が証明できると考えている。
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Causes of Carryover |
実験計画がスムーズに進行し、必要マウス数が想定以下であったことや、イメージングの試薬等の使用量も想定以下であったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。また海外の学会参加ができなかったため、渡航費などの不使用も理由となる。 次年度は積極的に本研究成果を国内・外で発表していくと同時に、残りの研究計画を進めるための費用とする予定である。
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