2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of therapeutic approaches for renal diseases by modifying membrane translocation of mutant proteins using human iPS-derived kidney organoids
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22K08332
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷川 俊祐 熊本大学, 発生医学研究所, 講師 (10726318)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ネフリン / iPS / 病態再現 / 腎臓オルガノイド / 糸球体 / 多発性嚢胞腎 / 腎臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓は主要機能単位であるネフロン(糸球体と尿細管)によって生体の恒常性を維持している。ネフリンは糸球体のろ過膜を構成する膜タンパク質で、その変異はネフローゼの原因となる。一方、ポリシスチンは、細胞の繊毛に発現する膜タンパク質でその発現低下は尿細管や尿管に多数の嚢胞形成を誘発し多発性嚢胞腎(PKD)を呈して腎不全となる。申請者は、先天性ネフローゼ患者由来のiPS細胞から糸球体を誘導することによって、濾過膜の形成異常を再現し、ネフリンの膜移行障害が疾患の病態であることを証明した(Tanigawa et al. Stem Cell Reports, 2018)。さらに、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)患者由来のiPS細胞から腎臓オルガノイドを誘導し嚢胞の再現にも成功している(Kuraoka et al. J Am Soc Nephrol, 2020)。本計画では、腎臓の構造と病態を再現できる腎臓オルガノイドの実験系を基盤にして、疾患原因分子であるミスセンス変異を持つネフリンやポリシスチンの膜移行障害を小胞体ストレス応答因子の人為的制御によって矯正する技術開発を行い、腎疾患の治療法を開発することを目的とする。本計画の知見は、先天性腎疾患の治療に留まらず、広く蛋白尿の低減や腎嚢胞軽減にも貢献すると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していたHiBItシステムは構築できたが、ネフリンの細胞膜移行の検出には不十分であることが判明した。その代替として腎臓オルガノイド由来の糸球体を薬剤スクリーニングに適用できる培養系の開発に取り組んだ。これまでにiPS細胞から糸球体のポドサイトを高効率に誘導する方法を報告しており(Yoshimura et al., JASN 2019)、この方法を応用して糸球体を多く含むオルガノイドを二次元で培養しネフリンの膜局在を観察できる方法の開発に着手しており順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
糸球体を多く含むオルガノイドを二次元で培養する方法を開発しつつある。これに並行して患者由来ネフリンの膜移行を促進する薬剤の検索と培養条件の検討によって患者由来腎臓オルガノイドの糸球体における変異ネフリンタンパク質の膜局在化を促進する条件を見出した。これを基盤にしてオルガノイドを二次元培養することで薬剤のハイスループットスクリーニング系を確立する。
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Causes of Carryover |
2023年度初頭の研究に有効活用するため。
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