2022 Fiscal Year Research-status Report
人間と人工知能の共創的な知を用いたドラッグリポジショニングによる腎臓病治療法開発
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22K08333
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
矢野 裕一朗 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10586241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 智晴 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (10180457)
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
長洲 一 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40412176)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 人工知能 / 慢性腎臓病 / 深層学習 / リアルワールドデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、包括的な慢性腎臓病(CKD)のリアルワールドデータを活用し、CKD患者の腎機能変化に影響を与える薬剤を、臨床データや併存症も考慮した全体的な視点で、時間経過を勘案しながら明らかにする。 既存の研究基盤:①7年間続く日本腎臓学会主導のレジストリデータベース(J-CKD-DB)事務局体制、②医師やデータサイエンティスト(矢野ら)とAI研究者(長尾)との共同研究体制、③多様で豊富な既存ビッグデータ、④リアルワールドデータからリアルワールドエビデンスを生み出す実績、を活かしながらビッグデータ解析を展開している。 2022年度には、研究実施のための倫理委員会申請・承認が完了し、解析を開始した。AI研究者との月一回のweb会議を通じて、解析が進行中である。腎機能を反映するeGFRの予測のため、ニューラルネットワークを用いた実験と解析を行い、現在、eGFRの誤差範囲が約4 ml/min/1.73m2で1年後のeGFRを予測するモデルが構築されている。しかし、精度向上が必要なため、改良を続けられている。具体的には、特殊な病態(例:悪性腫瘍)を除外した解析や、中間層の数を増やす(例:入力層→中間層→中間層→出力層)、欠損値の対応などが挙げられる。 さらに、ガウス過程による潜在変数モデル(GPLVM)を活用しながら患者のeGFR変化予測を2次元マップ上で可視化する解析も進行中である。これらが開発できれば、患者の腎機能の変化をシュミレーションしながら予測できるため、社会実装の意義は大きいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、倫理委員会の承認を得ており、データクリーニングも完了し、解析も着々と進行しているため、全体的には計画に沿った進行が見られる。現在、ニューラルネットワークを活用して腎機能の予測モデルを構築しているものの、予測精度に関してはまだ改善の余地が存在する。今後はAIチームと協力しながら議論を重ね、精度向上に取り組んでいく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ニューラルネットワークを活用して腎機能の予測モデルを構築しているものの、予測精度に関してはまだ改善の余地が存在する。今後はAIチームと協力しながら議論を重ね、精度向上に取り組んでいく。 加えて、本年は傾向スコアマッチング法やIPTW(Inverse Probability of Treatment Weighted)法を用いて、Glucagon-like peptideアナログ製剤、Mineralocorticoid receptorアンタゴニストなどの治療薬などの腎保護効果を検証する研究を立ち上げる。2023年度は倫理委員会からの承認を得てデータクリーニングするなど、解析に向けて準備を進める
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Causes of Carryover |
2022年度は倫理委員会書類作成など、事務的な仕事とが多く、予算が余ってしまいました。2023年度から本格的に研究が始動します。
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