2022 Fiscal Year Research-status Report
Role of proximal tubular Klotho in regulation of phosphate and vitamin D metabolism
Project/Area Number |
22K08340
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
深川 雅史 東海大学, 医学部, 教授 (00211516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒場 大峰 東海大学, 医学部, 准教授 (60437481)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Klotho / FGF23 / 近位尿細管 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎尿細管細胞に発現するKlothoは,細胞膜においてfibroblast growth factor(FGF)受容体と複合体を形成し,骨細胞より分泌されるFGF23の受容体として機能する。FGF23の主たる生理作用は,近位尿細管においてリン再吸収を抑制することであるが,Klothoは遠位尿細管と比較し近位尿細管には僅かしか発現しておらず,FGF23が生理作用を発揮する機序は明らかではない。また近年,Klothoが腎保護作用など多面的な作用を有することが示されているが,これに関しても十分な確証は得られていない。そこで本研究では,近位尿細管特異的Klotho過剰発現マウスを作製し,近位尿細管に発現するKlothoのリン・ビタミンD代謝における生理的な役割を明らかにする。さらに本マウスに腎虚血再灌流障害を誘導し,近位尿細管に発現するKlothoの腎保護作用に関しても検討を行う。 近位尿細管特異的Klotho過剰発現マウスは,Cre-loxP部位特異的組換え法を用いて作成する。このためにはまず,Klotho-loxPマウス(ROSA26領域にCAG-loxP-STOP-loxP-Klothoがノックインされたマウス)が必要となる。本マウスの作製には既に成功しており,本研究のために安定した系統維持ができている。ついでこのKlotho-loxPマウスをSlc34a1-Creマウス(Slc34a1tm1(EGFP/cre/ERT2)Bhum)と交配させることにより,近位尿細管特異的Klotho過剰発現マウスを誕生させる計画である。本年度はSlc34a1-Creマウスを入手するため,遺伝子組換え実験計画書と動物実験計画書を申請し,承認を得た。現在,Jackson Laboratoryに本マウスを発注しており,次年度には動物実験を開始できる見込みである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近位尿細管特異的Klotho過剰発現マウスを作製するために必要となるKlotho-loxPマウスの作製には既に成功しており,系統維持を行っている。Slc34a1-Creマウスを入手するための学内手続きも完了し,Jackson Laboratoryに本マウスを発注している。
|
Strategy for Future Research Activity |
Slc34a1-Creマウスを入手次第,Klotho-loxPマウスと交配し,可及的速やかに近位尿細管特異的Klotho過剰発現マウスを作製する。まずはこのマウスにおいてKlothoが近位尿細管特異的に過剰発現していることを確認する。ついでこのマウスのリン・ビタミンD代謝や骨組織におけるFGF23産生などを解析し,生理的ミネラル代謝に及ぼす影響を検討する計画である。
|
Causes of Carryover |
当初の計画では2022年度中にJackson LaboratoryよりSlc34a1-Creマウスを入手する予定であったが,年度内に納品されなかったため,その支払いを年度内に行うことができなかった。このため,その一部をKlotho-loxPマウスを維持するための消耗品などの購入費用に使用し,残額は次年度のSlc34a1-Creマウスの購入費用の一部に使用する計画である。
|