2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of mechanism how short chain fatty acids suppress kidney fibrosis.
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22K08348
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平川 陽亮 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10780736)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 酢酸イオン / 慢性腎臓病 / 酸化ストレス / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度までの状況:体内で生理的機能を有する代謝物である酢酸イオン(C2)の腎保護作用の詳細については明らかになっておらず、酢酸イオンの腎保護作用を検討した。培養細胞実験ではC2は酸化ストレスを軽減すること、動物実験ではC2投与によりミトコンドリア形態の障害(分断化)が軽減されたことを前年度までに示している。
当該年度の進捗:培養細胞実験において、C0投与はミトコンドリアの分裂に関連する遺伝子であるDRP1発現を抑制し、ミトコンドリア形態を維持する作用を有していることを明らかにした。また、動物実験においては、C2投与により酸化ストレスに起因するDNA障害が軽減されることが明らかになった。同時に、C0の投与は尿管結紮モデルの線維化を抑制することが明らかになった。これらの結果を統合して解釈すると、C0投与は、ミトコンドリア形態異常、特にミトコンドリアの断片化を抑制することで、酸化ストレスを軽減し、腎臓線維化を軽減する作用があることが示された。これらの結果を学術論文として公表した(Physiol Rep. 2023 Jul;11(14):e15774. doi: 10.14814/phy2.15774)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養細胞実験及び動物実験については当初の予定内容を完遂し学術論文として公表している。臨床研究が遅延しているが総じて見ると順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き慢性腎臓病の発症・進展に酢酸イオンの産生・代謝に関連する遺伝子が影響するかを探索する。また、他の代謝物が慢性腎臓病に与える影響についても検討を進める。複数のコホートで網羅的に測定された代謝物の濃度と臨床病型の関連を調べ、酢酸イオンの意義を明らかにする。
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Causes of Carryover |
臨床研究の遅延に伴い臨床研究で使用する予算を次年度に使用する必要が生じた。当該年度に予定された研究と次年度に予定された研究の両者を次年度に施行する。
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