2022 Fiscal Year Research-status Report
IgA腎症の進展機序におけるB細胞受容体シグナル伝達と異常IgA1産生制御の検証
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22K08362
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山田 耕嗣 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40465042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 祐介 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (70372935)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | IgA腎症 / 糖鎖異常IgA1 / 細胞内シグナル伝達 / B細胞 / ゲノムワイド関連解析(GWAS) / 白血病阻止因子(LIF) |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA腎症は、わが国で最も頻度の高い慢性糸球体腎炎であり、腎への糖鎖異常IgA1沈着を特徴とする。また、病態進行の背景には、血中糖鎖異常IgA1の上昇に伴う免疫複合体の形成や多量体IgA1の存在が報告されている。これらの知見の集積により、ガラクトース欠損型糖鎖異常IgA1特異抗体が実用化となり、バイオマーカーへと発展した。更なる発展として、糖鎖異常IgA1の産生制御を担うシグナル伝達を探索し、臨床応用へ向けた新たな証拠の構築を目指している。 糖鎖異常IgA1産生は、IL-4やIL-6などの刺激により誘発されることがIgA1産生細胞株を用いた検証により研究報告されている。しかし、糖鎖異常IgA1が生成されるB細胞系列の研究は十分になされていない。本研究では、ゲノムワイド関連解析(GWAS)より得られたIL-6関連サイトカイン・白血病阻止因子(leukemia inhibitory factor:LIF)に着想し、B細胞を中心とした細胞内シグナル伝達の全容を明らかにすることを目的とする。 初年度は、上気道感染後に尿所見増悪が本症に認められる事例から、口蓋扁桃IgA1産生細胞株を用いて刺激実験を行った。その結果、健常者由来細胞群と比較し、患者由来細胞群では、LIF-JAK2-STAT1を介して糖鎖異常IgA1が産生されることが分かった。 本結果は、IgA腎症患者において糖鎖異常IgA1産生を担う責任細胞の一部が口蓋扁桃細胞に存在し、異常シグナルを呈する細胞集団である可能性が高いことが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IgA1産生細胞株を用いた刺激実験の結果が概ね揃ってきた。臨床応用を考慮すると、初代培養細胞への展開が重要と考えている。初年度は、口蓋扁桃細胞から選択的に初代B細胞を抽出し、電気泳動およびフローサイトメトリーを用いて、細胞内シグナルの検証を行った。細胞採取から解析までのプロトコールは概ね順調に確立している。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は、初代培養細胞を用いたフローサイトメトリー解析が課題である。試料の細胞固定化・透過処理の条件、測定時間、培養条件、機器の適正化を調整し精度を上げていく。
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Causes of Carryover |
物品、消耗品の購入価格が当初計画と少し違っていたために次年度使用額が生じた。基本的には概ね計画通りである。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Mucosal Immune System Dysregulation in the Pathogenesis of IgA Nephropathy2022
Author(s)
Toshiki Kano, Hitoshi Suzuki, Yuko Makita, Yoshihito Nihei, Yusuke Fukao, Maiko Nakayama, Mingfeng Lee, Rina Kato, Ryosuke Aoki, Koshi Yamada, Masahiro Muto, Yusuke Suzuki
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Journal Title
Biomedicines
Volume: 10
Pages: 3027
Open Access / Int'l Joint Research
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