2023 Fiscal Year Research-status Report
Induction of adult type erythropoietin producing cell
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22K08364
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
本島 英 東海大学, 医学部, 准教授 (80468636)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エリスロポエチン産生細胞 / iPS細胞分化誘導 / 腎性貧血 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、エリスロポエチン(Epo)を産生する腎間質細胞の発生に異常をきたすマウスを発見し、発生中(E18.5)の腎を採取し腎間質細胞のシングルセルRNA-seq解析を行った。得られたデータを用いて、腎間質前駆細胞(SP)およびこの細胞の分化に必要なシグナルを推定し、ヒトiPS細胞から成人型(腎臓型)EPO産生細胞を分化誘導することが本研究の目的である。近年の研究で、ヒトiPS細胞から胎児発生の各段階を辿ってネフロン前駆細胞を分化誘導することが可能となってきている。腎発生が始まる後方中間中胚葉の段階までは既知のヒトiPS細胞の分化誘導系を利用し、その後のSPから後の段階はシングルセルRNA-seq解析で推定された分化シグナルを調節して最終的に成人型EPO産生細胞に到達するという戦略で研究を開始した。分化シグナルの調節は培養液中のリガンド、情報伝達系の増強剤および阻害剤の濃度変化で行っている。 現在までに、SPマーカーであるFoxd1の発現が、Bmpシグナルの抑制、ソニックヘッジホッグおよびレチノイン酸の添加により増大することを見出した。この段階で、低酸素状態で培養するとEPO産生量が4倍程度増加し、EPO産生細胞の前駆細胞が存在すると考えられた。しかしながら、EPO発現量は低レベルであり、培養条件の改善が必要と思われたが、効率よくEPO産生細胞を分化誘導するシグナルを同定するには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腎間質前駆細胞からEPO産生細胞への分化誘導系を確立することを目標としていた。しかし、腎間質前駆細胞マーカーであるFoxd1が高発現な細胞からEPO産生細胞への分化誘導の道筋が明確になっていない。マウスE18.5腎臓のシングルセル解析のデータから分化誘導シグナルを模索してきたが、効率的な腎間質細胞の分化誘導条件を見出だすには至っていない。ただし、このFoxd1誘導後の細胞を低酸素培養するとEPOの発現量が4倍程度増大した。したがって、この細胞でもEPO産生細胞の前駆細胞は含まれていると考えられた。そこで、EPO産生細胞とその前駆細胞の性状を明らかにするためにシングルセルRNA-seq解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトiPS細胞から分化誘導したオルガノイドのシングルセルRNA-seq解析の結果から、エリスロポエチン(EPO)産生細胞を効率よく分化誘導するシグナルを類推する。それによって分化誘導に必要と思われる化合物や増殖因子を選定し培養条件を調節して、EPO産生細胞を高効率に誘導できる系を構築していく。
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Causes of Carryover |
シングルセルRNA-seq解析を実施したために、支援センター利用料とシークエンスの外注で約68万円の支出となったが、適当な研究補助員が見つからなかったので、人件費が大幅に削減された。そのため次年度使用額が生じた。次年度も研究補助員の雇用はないので、人件費の支出は見込んでいない。その分は物品費と分化誘導条件確立のためのシングルセルRNA-seq解析の費用として使用する予定である。
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