2023 Fiscal Year Research-status Report
異種移植モデルを用いた乳房外パジェット病に対する新規治療法の開発
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22K08397
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
柳 輝希 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50755973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 広史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50322805)
北村 真也 北海道大学, 大学病院, 助教 (70875161) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 乳房外パジェット病 / 前臨床モデル / 異種移植モデル / 薬剤耐性モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、乳房外パジェット病異種移植モデル(PDX: patient-derived xenograft)に対して新規治療薬を試すとともに、薬剤耐性機構の解析を行った。マウスとしては免疫不全マウスNOD-SCIDマウスを使用した。また、抗HER2抗体薬を含むいくつかの抗がん剤に対する耐性モデルの作製し、その耐性機構を解析中である。薬剤耐性モデルの作製方法としては、少量の薬剤を全身投与し、腫瘍が縮小してきた場合にはその投与を中断し、再増大が認められたのち投与を再開するという方法を繰り返す方法を使用した。その方法にて、複数の薬剤耐性腫瘍を樹立した。その後、2種類の薬剤感受性腫瘍および5種類の耐性獲得腫瘍における遺伝子変異の差を検出し、それらに共通する遺伝子変異について、その分子の蛋白発現を免疫染色と免疫ブロット法にて評価した。一つの遺伝子変異については、そのタンパクレベルでの発現の変化も認めたため、耐性機構に関連していると考え、精査を続けている。また、耐性獲得腫瘍に対するin vivo治療実験も実施し、有効な治療薬(既存薬剤)を5個以上見出している。今後、耐性モデルにおける遺伝子変異・タンパク発現の変化が、どのような細胞内・外のシグナル伝達に影響するのか、その耐性機構を詳細に解明していく。さらに臨床データと照合し臨床における応用の可能性を検討する予定である。また、乳房外パジェット病培養細胞株を樹立するために、いくつかの培地・培養法を試し、二次元培養細胞の樹立を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬剤耐性モデルの樹立に成功し、その遺伝子変異解析とタンパク発現解析が完了している。さらに耐性モデルへの治療実験も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤耐性モデルにおける遺伝子変異・タンパク発現の変化が、どのような細胞内・外のシグナル伝達に影響するのか、その耐性機構を詳細に検討する。臨床データと照合し、臨床における応用の可能性を検討する。乳房外パジェット病培養細胞株を樹立するために、いくつかの培地・培養法を試し、二次元培養細胞の樹立を行う。耐性モデルの成果報告(学会発表・論文発表)を行う。
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Causes of Carryover |
年度途中に研究者の所属先が変更となった(北海道大学→琉球大学)ため、一時的に研究を実施することが困難となった。特に動物実験を行うことができなくなったため、物件費の支出が減少した。今年度は、動物実験の再開を行い、本研究の完了を目指す。
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