2022 Fiscal Year Research-status Report
Mechanistic investigation of atopic dermatitis associated with abnormality in endocrine and metabolism systems
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22K08420
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮井 智浩 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (30812549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 洋 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (70445344)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 代謝 / 内分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者が見出した代謝・内分泌系に関与する分子Xの発現異常を伴う特定のアトピー性皮膚炎モデルマウスおよびヒト患者について、その詳細な分子病態の解明および治療介入を視野に入れた検討を実施するものである。 2022年度においては当初計画に基づき、アトピー性皮膚炎モデルマウスにおける分子X欠損群と対照群の血清生化学検査を実施し、分子Xが関与する代謝変動の特定を試みた。しかしながら、病態表現型の個体差が大きく、現在までのところ分子Xの有無による差を検出するには至っていない。現在、表現型をなるべく揃えて再度解析を実施中である。 さらに、本研究の治療応用を考えた場合、皮膚炎発症後の分子X high患者に対する分子X中和抗体の投与が考えられる。計画当初においては、アトピー性皮膚炎モデルマウスに中和抗体を投与する系を検討していたが、タモキシフェン/ERT2-Creによる誘導的遺伝子欠損の方がより明確な差異が検出できると考えられた。そこで、中和抗体投与実験の実施に先立って、分子X-flox:ERT2-Creマウスを作出した。今後、このマウスとアトピー性皮膚炎モデルマウスを交配し、皮膚炎発症後にタモキシフェンを投与した場合においても皮膚炎病態が緩和されるかどうかを確認していく。 本課題はこれまでにあまり追究されてこなかったアトピー性皮膚炎に対する内分泌系の関与の一端を明らかにしようとするものであり、今後、発展が期待される層別化医療の実現にも貢献すると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画において、分子Xの標的細胞についての計画を2022年度に実施することとしていたが、未だ実施できていない。現在免疫染色で用いることのできる抗体の検討を実施しており、2023年度において当該項目を実施したいと考えている。また、上記「研究実績の概要」欄でも示した通り、代謝変動解析についても再試行を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
メカニズム解析においては、免疫染色によって皮膚組織およびこれまでの研究で異常が想定される肝臓・腎臓の免疫染色を実施することによって、分子Xの標的細胞の同定を試みる。また、組織局所である皮膚の炎症と全身性の代謝内分泌の連関が疑われるため、それらを繋ぐ血中物質の同定を引き続き試みていく。 臨床応用を視野に入れた研究については、2022年度に作出した分子X-flox:ERT2-Creマウスを用い、分子Xを標的とした分子介入が治療として有効であるかどうかについて検証を行う予定である。
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Research Products
(1 results)