2023 Fiscal Year Research-status Report
T細胞を抗原特異的に皮膚へ遊走させるメカニズムの解明
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22K08428
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江川 形平 京都大学, 医学研究科, 講師 (50511812)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | T細胞 / 樹状細胞 / 皮膚免疫 / リンパ管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗原特異的なT細胞が皮膚へと選択的に遊走するための仕組みが存在するのではないかとの仮説の検証をおこなっている。 23年度は、抗原非特異的なT細胞皮膚浸潤モデルの解析を進めた。T細胞、B細胞が欠損するRAGノックアウトマウスにMACSで分離した蛍光標識T細胞を移植すると、T細胞が活発に増殖し(Homeostatic expansion)大量のエフェクターT細胞が生み出される結果、炎症のない皮膚へのT細胞の大量の浸潤が生じる。本実験モデルについて詳細を調べたところ、増殖しているT細胞がIL-13を産生するTh2細胞が主体であること、T細胞の大量皮膚浸潤があるにもかかわらず皮膚炎は生じないこと、T細胞皮膚浸潤の初期でも血管周囲のT細胞トラムラインは観察されないこと、皮膚にT細胞が多数浸潤している状態でマラセチア感染を起こすと、掻破行動が有意に増加し、皮膚炎の増悪につながることなどが明らかになった。皮膚の樹状細胞を除去したマウスで本モデルを行った場合に、T細胞の皮膚浸潤がどのようになるかなど、これから解析を進めていく。T細胞が抗原特異的に皮膚へ浸潤するモデルとの比較を通じて、T細胞の皮膚浸潤メカニズムに迫る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2024年4月に鹿児島大学へ異動することになったため
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Strategy for Future Research Activity |
鹿児島大学皮膚科、京都大学皮膚科で研究を遂行する。鹿児島大学で動物実験を再開するにあたり、事務手続きに3か月~程度の時間を要する見込み。京都大学で継続可能な実験については、京都大学で進める。
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Causes of Carryover |
2024年4月に鹿児島大学へ移動することになり、年度後半は動物実験を停止したため。
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Remarks |
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