2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of new intervention methods for hematopoietic transcriptional control for clinical application.
Project/Area Number |
22K08483
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30291587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 康通 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30590327)
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80315936)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 転写因子 / 白血病 / リン酸化 / Yeast Two-Hybrid / 染色体転座 / キナーゼ / 翻訳後修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はRUNX1分子のセリン・スレオニン残基のリン酸化について進展があった。公開データベース探索によってラントドメイン内でリン酸化を受けているアミノ酸残基群を複数特定し、これらのアミノ酸残基群を非リン酸化セリンを模倣するアラニンへ置換させた変異体分子や、リン酸化型セリンを模倣するアスパラギン酸へと置換した変異分子を作製し検討した。すると、いずれの変異によっても、RUNX1は転写活性化能を大きく失うことが判明した。RUNX1活性制御の新たな作用点である可能性を検討すべく、現在、詳細の検討を進めている。 一方、胎生中期のマウス胎仔由来cDNAライブラリーを用いたYeast Two-HybridスクリーニングによってRUNX1のC末端ドメインと会合するタンパクを特定した。そのうち一つはこれまでRUNX1との関係性が知られていない、あるキナーゼタンパク(ここでは便宜上キナーゼXと記載する)であった。定法に従って構成的活性化変異キナーゼXを作製したところ、野生型RUNX1と共発現させるとRUNX1による標的遺伝子群の転写結成化能を顕著に上昇させることを見出した。現在そのリン酸化の標的となるアミノ酸残基の特定に注力している。 上記に加え、補完的アプローチとして、RUNX1の転写標的遺伝子群の探索も行っている。本年度は候補遺伝子法によって2つの免疫関連遺伝子と1つの細胞周期関連遺伝子、そして1つの神経系キナーゼ遺伝子を特定した。また、公開データベースを利用した手法によって造血器腫瘍関連遺伝子を別個に一つ特定した。現在、その詳細をウエットラボベースの解析によって検討している。 当該研究では、こうした複数のアプローチによってRUNX1作用への干渉手法の確立へと進めて行きたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主たる2つのアプローチに加え、補完的なRUNX1標的遺伝子特定のプロジェクトも進行している。こうした経緯から、本研究計画は、おおむね順調に進展しているものと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
リン酸化変異体については、どのアミノ酸残基が重要なのか絞り込みを行いたい。その後は生物学的意義についての県都へと進めて行きたい。新規会合分子(キナーゼX)についてはその標的アミノ酸残基の特定が急務である。こちらも生物学的意義の解明に向けて検討を進めて行きたい。他方、複数見出した転写標的候補遺伝子群については、まず、定法に従ってたしかにRUNX1の転写標的であるかどうか確認の実験を手堅く進めて行く予定としている。
|