2023 Fiscal Year Research-status Report
Gas6/Merシグナルを標的とした新型コロナウイルスによる血栓症対策
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22K08510
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
古川 未希 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80722537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池添 隆之 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80294833)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
Growth arrest-specific 6(Gas6)は免疫細胞から分泌され血管内皮細胞傷害を引き起こすことが知られている。われわれはGas6がCOVID-19患者の重症度を予測できるのでhないかと考えて研究を開始した。約380名のCOVID-19患者から血液検体を採取して血清中のGas6をELISAキットを用いて測定した。厚生労働省が定めた軽症、中等症1、中等症2、重症と、重症度が上がるにつれてGas濃度が上昇することを予想していただが有意な差はなく、Gas6はCOVID-19の重症度を反映しないことが明らかとなった。ただし、血管内皮細胞に発現して血管内皮の恒常性維持や血栓形成抑制に寄与しているシンデカンを測定したところ、重症患者でその血中濃度が有意に高いことが明らかとなった。また、入院28日目までに死亡した患者においては生存者と比較してシンデカンの濃度は有意に高かった。以上より、シンデカンはCOVID-19の予後予測マーカーとしても有用と考えられる。また、われわれが研究対象とした今回のコホートにおいても、既報通り年齢、高血圧、糖尿病や心疾患の併存症、肥満、喫煙歴などが重症度や予後不良と関連していることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していたGas6はCOVID-19の予後予測マーカーとはなり得ないことが明らかとなったが、われわれが収集した約380名のCPVID-19患者血清を用いた検討により、新たな予後予測マーカーとしてシンデカンを同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、血小板の活性化とCOVID-19の重症化との関連を示唆するデータが蓄積されつつある。約380名のCOVID-19患者血清を用いて、活性化した血小板から放出される各種タンパク質の濃度を測定してCOVID-19患者の臨床像との関連を調査する。
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Research Products
(1 results)