2023 Fiscal Year Research-status Report
Structural basis of intracellular metabolic regulation in leukemia
Project/Area Number |
22K08514
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小山 大輔 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50741071)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オートファジー / AMPK / ULK2 / FIP200 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性骨髄性白血病 (chronic myeloid leukemia: CML) は、BCR::ABL融合遺伝子に高度に依存する骨髄増殖性腫瘍の代表的な腫瘍である。CML細胞の増殖は、BCR::ABLチロシンキナーゼの恒常的な活性に依存している。そのため、リン酸化の基質としての細胞内ATP濃度を高く維持する必要がある。CML細胞内においてBCR::ABLの下流には、PI3K/AKT/mTORシグナルが位置している。この経路は、mTORの活性化によって細胞成長・増殖を促進する。また、PI3K-AKT経路の活性化は、グルコーストランスポーターであるGLUT1の発現を促進し、細胞内へのグルコースの取り込みを増加させる一面がある。また慢性期と比較し、急性転化したCML細胞内では、細胞の増殖が促進されるため、細胞内ATP需要が高まることになる。BCR::ABLを外因性に強発現させると、AMPK α T172リン酸化が上昇する。AMPKは細胞内の異化反応を制御することで、細胞内のATP消費を抑制し、かつ脂肪酸のβ酸化などを促進することでATP濃度を維持しようとする。細胞内異化反応の重要な経路の一つとしてオートファジーが存在する。AMPKが活性化するとULK1とmTORがリン酸化される。ULK1は、ULK1-ATG13-FIP200-ATG101複合体を恒常的に形成し、オートファジー誘導に関わっている。ULK1のparalogであるULK2は、その詳細な機能が明らかになっていない。今回の研究で、ULK2は、ULK1よりもより強固にFIP200と結合し、AMPKと相互作用することによってその機能を抑制している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね予定通り進行しているが、構造解析に必要十分なタンパク質の量、質の担保がまだできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
組み替えタンパク質を作成し、クライオ電子顕微鏡による構造解析を行う。
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