2022 Fiscal Year Research-status Report
CNSループス病態における免疫細胞の遊走制御機構の解明
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22K08531
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮部 斉重 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70632313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 佳子 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (90362467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CNSループス / 細胞遊走 |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性エリテマトーデス (SLE) は免疫複合体が組織へ沈着し炎症を惹起するIII型アレルギー主体の全身性自己免疫疾患である。20-40歳代の女性に好発し、本邦での患者数は7万人と推定され、約60%のSLE患者でてんかん、うつ病や統合失調症様などの多彩な精神・神経障害(central nervous system: CNS ループス) が見られる。CNSループスは膠原病の神経病変の中で最も頻度が高い重篤な疾患であり、精神神経症状の多彩さ故に診断は非常に困難で、根治療法は未だ確立されていない。一般的にステロイドやシクロフォスファミド大量投与による対処療法が行われるが、薬剤抵抗例や再燃例も多く難治である。 さらにステロイドによる重症感染症、並びにシクロファスファミドによる二次発癌や催奇形性は、現治療法における深刻な問題で、より効果的で副作用の少ない安全な新規治療薬の開発が急務である。本研究ではその病態と新規治療法開発の基礎を確立すべく、CNSループス病変部位や浸潤細胞・CA分子の同定、in vivo及びin vitroにおける免疫細胞の遊走機能解析を通じてCNSループスにおける中枢への免疫細胞の遊走制御機構の解明を目指す。 当該年度はCNSループスモデル動物を用いて、脳組織に様々な走化性因子の発現が上昇している事を見出した。また、走化性因子発現部位にCD4陽性T細胞が浸潤していることも見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年4月に現所属先へ異動となり、研究開始が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はCNSループスモデル動物を用いて病変部位における走化性因子の発現パターンを解析する。さらに病変部位から細胞を単離し、各サブセットの免疫細胞に発現する走化性因子に対する受容体の発現パターンをフローサイトメトリーを用いて解析する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度、現所属先へ異動となった為、動物の搬入に支障をきたし、実験開始が遅延した。次年度では昨年度の研究計画であるCNSループス病変部位におけるChemoattractant分子の発現パターンを免疫染色及びリアルタイムPCRにて包括的に解析していく。
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Research Products
(1 results)