2023 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチにおけるTph細胞に対する制御性T細胞の機能解析と治療への応用
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22K08543
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三苫 弘喜 九州大学, 大学病院別府病院, 講師 (60467909)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 制御性T細胞 / 濾胞性T細胞 / TNF2型受容体 / メモリーB細胞 / 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチではCD4陽性T細胞が病態形成に重要な役割をしており、近年関節滑膜や滑液でTph細胞が浸潤し、滑膜炎や破骨細胞の活性化を誘導していることが明らかとなっている。我々は関節リウマチ患者における抑制性T細胞の量的、質的特徴を明らかにし、その抑制能を高めることでTph細胞を制御することを目標として研究を行っている。今年度は関節リウマチ滑液および末梢血液のTph細胞、抑制性T細胞、濾胞性抑制性T細胞について解析を行った。関節液中ではいずれの細胞分画も増加していた。各細胞分画のT細胞中の割合は、末梢血液中の割合と有意な相関はみられなかった。滑液中では制御性T細胞の数が増加しているにも関わらず活性化Tph細胞が増加しており、制御性T細胞の抑制能が低下していると考えられる。そのため、制御性T細胞について、関節リウマチの滑液、関節リウマチ症例の末梢血液、健常人の末梢血液で抑制能の比較を試みた。また、関節リウマチ症例の制御性T細胞の抑制能を高めるため、rapamycin、TNF2型受容体刺激抗体、抑制性サイトカイン単独あるいは組み合わせで培養し、抑制能が高まるか検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Tph細胞+制御性T細胞さらにTph細胞+メモリーB細胞+制御性T細胞と制御性T細胞の共培養を行い、その抑制能を健常人と比較することを試みているが、患者検体から得られる細胞数が限られており、実験系の確立に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の事項について実験をすすめる。 1) 関節リウマチ症例の末梢血液および滑液中のTph細胞、memory B細胞に対するTreg/Tfr細胞の抑制能を検討する。 2) 滑液Treg/Tfr細胞の質的解析;関節リウマチおよび変形性関節症のTreg細胞およびTfr細胞をcell sortingし、無刺激の状態でRNAを抽出する。RNA seqで遺伝子発現パターンを比較検討する。 3) 関節リウマチ滑液がTreg/Tfr細胞の抑制能に与える影響を解析する。 4) 滑液Treg/Tfr細胞の刺激による抑制能を評価する。
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