2022 Fiscal Year Research-status Report
Tef 遺伝子改変マウスを用いた関節リウマチ病態解析と創薬へのアプローチ
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22K08563
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柱本 照 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80346246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 幸祐 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80452499)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 時計遺伝子 / 時間生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)時計遺伝子転写因子Tefの発現をRNA干渉により抑制した 関節リウマチ滑膜細胞(RA-FLS)をIL-6 /可溶性IL-6受容体(sIL-6R) (100ng/ml)、TNF-α(10ng/ml)で刺激した後、WST-8 法 により細胞増殖活性を検討した。その結果、Tef発現抑制によりIL-6/sIL-6R 、TNF‐α刺激下でRA-FLSの細胞増殖活性が有意に上昇することを確認した。 (2)野生型およびTef-/-マウス胚からマウス胎児線維芽細胞を単離し、WST-8法およびフォーカス形成法により細胞増殖活性を検討した。細胞増殖能の検証には、細胞培養液に含有するウシ血清を通常の10%から段階的に希釈して混和し、検討した。その結果、全ての血清濃度における細胞増殖活性がTef-/-細胞において亢進すること、また、10%血清含有下の通常条件で行った高密度細胞培養でのフォーカス形成能もTef-/- 細胞において上昇傾向を示すことがわかった。 (3)野生型およびTef-/-マウス脾臓からmRNAを抽出し、リアルタイムPCR法にてTNF-α、IL-6のmRNA発現量を比較した。その結果、TNF-αのmRNA発現量はTef-/-マウス脾臓において上昇傾向を示した。 (4)雌性Tef+/+マウスおよびTef+/-マウスに、定法に従ってコラーゲン誘発関節炎を誘導した。関節炎の消長を観察し関節炎スコアを評価するともに、関節炎誘導実験開始後6週間後(第42日)に採血した血清を用いて、TNF-α、IL-6/17、IFNγ、MMP3、RANKL、OPGをELISA法により測定した。その結果、関節炎スコア、各血清評価指標ともTef+/-マウスで増悪、あるいは上昇傾向であったものの、有意な差は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回作成したTef遺伝子改変マウスはTNF-α産生過剰による不育症、即ち子宮内胎児死亡やTef転写によって影響を受けるプロラクチン産生抑制による育児放棄の表現型を持つことがわかった。このため、当初予定した関節炎誘導実験に必要なTef-/-マウスを準備することができず、Tef+/-マウスを用いて一連の関節炎実験を行った。したがって実績概要に記載した通りTef遺伝子の関節炎発症に及ぼす影響を十分に検証できていない。しかしながら、RNA干渉によりRA-FLSのTef発現を抑制した検証の結果、またTef-/-マウス胎児線維芽細胞を用いた種々の検証結果は、Tef欠損による細胞増殖能の亢進を示唆するものであり、RA病態の主座をなす滑膜細胞の増殖能亢進に対するTef遺伝子の関与を解明する糸口となる成果を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
プロラクチン産生抑制の表現型に対応するため、雌性Tef-/-マウス妊娠確認後、適宜プロラクチン皮下注射投与を行い、Tef-/-マウスの繁殖をコントロールする。これによって実験遂行に必要なTef-/-マウスを確保し、当初予定した関節炎誘発実験を再度計画する。併せて、令和5年度以降はマウス胎児線維芽細胞を用いた細胞死抵抗性の表現型を検証する共焦点レーザー顕微鏡を用いた観察、さらに野生型マウスとTef遺伝子改変マウスの脾細胞から得るmRNAを用いたRNAシーケンスを予定し、創薬標的候補分子の同定にもアプローチを開始する。
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Research Products
(6 results)