2022 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫疾患における加齢性クローナル造血の関連についての検討
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22K08565
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 伸之 九州大学, 大学病院, 助教 (00336025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 高宏 九州大学, 医学研究院, 教授 (00791972)
江里口 芳裕 九州大学, 大学病院, 助教 (70552016)
仙波 雄一郎 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD) (90816787)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | クローン性造血 / ベーチェット病 / 成人スチル病 |
Outline of Annual Research Achievements |
『自己免疫疾患でクローン性造血(CH)は重要な役割を果たすのか?』という学術的な問いに対し、さまざまな自己免疫疾患(ベーチェット病、成人スチル病、巨細胞性動脈炎など)の合計80症例の血液サンプルを同意の上収集し、順次CHのスクリーニングをMyDiscavary Panelを用いたターゲットシークエンスにより行った。またCH保有患者の末梢血を分画し、CH有する分画の同定も行った。並行してフローサイトメトリーによるイムノフェノタイプ解析、患者単球を分離した炎症誘導の解析を行った。ターゲットシークエンスは研究分担者の前田、仙波が担当した。 血液腫瘍の関連が報告されているベーチェット病患者を重点的に行い、同患者では14.9%にCH保有者を認め、年齢をマッチさせると健常人集団よりBD患者で多い傾向を認めた。CH保有の有無でベーチェット病患者の発症年齢、臨床像、HLA-B51の陽性率、治療内容を比較したが有意な差は観察できなかった。一方でCH保有者では、既報の通りRDWが高い傾向を認めた。末梢血の細胞分画では自然免疫系細胞(単球、好中球、NK細胞)でCH保有率が高い傾向を認めた。機能解析では単球が過剰活性化を示す症例が1例同定された。上記内容の一部は2023年日本リウマチ学会で発表の予定である。 今後症例を増やし、CHのスクリーニング数を増やす一方で、CH保有患者における過剰炎症の有無の確認、変異遺伝子の役割について機能解析を進める方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者収集、ターゲットシークエンスについては順調に進んでいるが、機能解析の実験系が安定しておらず、患者検体を用いた細胞の機能解析が遅れている。その理由として、CH保有患者が少ないことが大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
CH保有患者を集めるため、ベーチェット病患者の検体収集を増やすだけでなく、疾患を拡げてスクリーニングを行う。また、単球の機能解析にはヒト細胞株に変異遺伝子を導入し、変異による炎症誘導の変化を検討する。
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Causes of Carryover |
これまでは研究室に従来ある試薬、物品を使用することにより研究を進めてきた。今後新たに試薬など購入する予定である。
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Research Products
(1 results)