2022 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチにおけるI型インターフェロン-HGF axisの機能解析
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22K08569
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡部 龍 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40723218)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Hepatocyte growth factor / 関節リウマチ / 滑膜線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(RA)の治療は大きく進歩したが、未だに多剤抵抗性を示す患者が存在し、新たな治療薬の創出が望まれる。申請者は先行研究において、マルチオミックス解析を用いて、抗TNF阻害薬無効例の患者で、血漿中のHepatocyte growth factor(HGF)濃度が上昇していることを見出した。本研究では、HGFとその受容体c-Metを標的とした治療がRAの新たな治療戦略となりうるかを検討している。 京都大学リウマチセンターに通院中のRA患者66名と健常人6名の血漿蛋白レベルを比較したところ、HGF(P=0.0003), TNFa(P=0.0046), IL-6 (P=0.014), CXCL10 (P=0.018)が有意にRA患者で上昇していた。ROC解析を用いた検討では、HGFが最大のAUC(0.91, P=0.001)を示し、健常人と差を認めた。 次に、血漿HGF濃度と疾患活動性の相関を検討した。血漿HGF濃度は、DAS28-ESR(r=0.367, P=0.002)、DAS28-CRP(r=0.247, P=0.046)などと有意に相関していた。 さらに、RA滑膜のパブリックデータベース(AMP Consortium)を解析すると、HGFは単球および滑膜線維芽細胞が産生源であり、HGFの受容体(c-MET)は滑膜線維芽細胞が発現していた。 今後、HGFの発現制御のメカニズムや、HGFやc-METの免疫染色、HGFに対する滑膜線維芽細胞の反応を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体収集および解析は比較的順調に進んでいる。 今後の実験計画も明らかになっている。 今年度末から動物実験なども検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、HGFの発現制御のメカニズムや、HGFやc-METの免疫染色、HGFに対する滑膜線維芽細胞の反応を検討する予定である。また、動物実験も検討している。
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Causes of Carryover |
今年度、未使用金あり
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