2022 Fiscal Year Research-status Report
尿バイオマーカーを用いたループス腎炎の診断・病理組織予測・治療効果判定キット開発
Project/Area Number |
22K08571
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平本 和音 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70941102)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ループス腎炎 / 全身性エリテマトーデス / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ループス腎炎24例を用いたdiscovery cohortにおいて特定の腎病理所見スコアと相関のあった候補タンパクについて、別のループス腎炎24例の尿検体を用いてvalidationを行った。具体的には、尿中MCP-1を始めとした計3種類の有力候補タンパクについてELISAキットを用いて尿中濃度を測定した。この結果、尿中タンパク濃度は腎組織の特定の活動性病変および慢性病変の重症度と有意に相関することが判明した。ループス腎炎において、これらの3つのタンパクはそれぞれ対応する腎組織所見の重症度を予測できる可能性が示唆された。さらにこれらの3つのタンパクについて腎組織免疫染色を行い、それぞれの局在が対応する組織所見に一致していることを確認した。これらのタンパクの尿中濃度が、ループス腎炎以外の腎炎でもそれぞれ対応する病理組織所見と相関し組織所見の重症度を予測できるマーカーかどうか、もしくはループス腎炎に特異的なマーカーかどうかといった点を確認するため、IgA腎症や膜性腎症、微小変化群、糖尿病性腎症といったループス腎炎以外の糸球体腎炎症例の尿サンプルを順次収集を継続している。一方、ループス腎炎の治療後の尿サンプルも順次収集しており、これらの3種類の尿中タンパク濃度をELISAキットを用いて順次測定中である。尿中タンパク濃度と治療後の臨床経過とを比較することで、これらの3種類のマーカーがループス腎炎の治療反応性や治療予後を予測できるマーカーとなり得るか確認するためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り、3種類の尿中タンパクが特定の腎組織所見の重症度を反映し得るマーカーとして有力な候補に挙がっている。ループス腎炎においてはこの3種のタンパクについてELISA測定によるvalidationも終了している。また、ループス腎炎以外の腎疾患も含めた解析を行う準備として、各種腎疾患の尿サンプルの回収は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
候補タンパクを用いた腎炎の重症度予測や診断キットの作成を目標として、質の高い研究を行うためループス腎炎以外の糸球体腎炎疾患の尿サンプルを可能な限り多く収集することが肝要である。これを継続し、順次尿サンプルを用いてELISA測定を継続していく。
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