2022 Fiscal Year Research-status Report
Virus specific host responses and induction of etosis in severe influenza
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22K08598
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮入 烈 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10296626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 重治 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60361234)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インフルエンザ / 肺炎 / 鋳型気管支炎 / ワクチン / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザに罹患した患者の一部は肺炎をきたし、最重症例は急速な粘液栓の形成により窒息にいたる鋳型気管支炎を発症する。しかしその重症化のメカニズムは不明である。我々は、重症化にいたった患者の背景にアレルギー素因があること、また病理所見上では過敏症反応を示唆する好酸球の浸潤と好酸球死を認めることを見出した。 本研究の目的はインフルエンザ肺炎の重症化メカニズムを検討することである。特にインフルエンザ罹患時の重症化やインフルエンザワクチン接種後の副反応にアレルギーに類したメカニズムが関与するかという仮説を検証することが目標となっている。 本年度は、患者登録のための倫理申請を行った。また、インフルエンザに対する生体反応を評価するための系を検証した。具体的には血液中のIgE、リンパ球刺激試験、好塩基球活性化試験からなる。インフルエンザ抗原特異的なIgEの測定はELISA法として、市販されている抗原および、各社ワクチンを用いて抗原を溶解しプレートに固定化したのちに標準的な手法で行った。好塩基球活性化刺激試験はCRTH2陽性細胞の CD203発現をフローサイトメトリーで測定した。また、PBMCをインフルエンザ抗原で刺激し、放出されたサイトカインを測定した。これらを通して患者の免疫応答を多角的に分析し、重症度と生体の応答の関連を検討する。 更に、最重症の病態てある鋳型気管支炎を呈した患者からの検体採取を行った。今後は好中球と好酸球の染め分けをエラスターゼ/MBPで行いNETs/EETsの関与を確認する。より詳細な病理像の解析を重ね、粘液栓中の細胞成分と非細胞成分の両方の粘液栓の対比、粘液栓の成分粘度をレオメーターで定量的に解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
準備に注力したため、患者登録の開始が年度内にできなかったが、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
患者登録を開始し、情報を収集する。稀な鋳型気管支炎については全国レベルでの患者登録を検討する。
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Causes of Carryover |
2022年度は、患者登録と実運用開始に至らなかったため支出が少なかった。2023年度に予算執行を予定している。
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