2022 Fiscal Year Research-status Report
カプシド蛋白質の二量体化を標的とした新規抗HIV薬開発に向けた基礎研究
Project/Area Number |
22K08615
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
村上 努 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (50336385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉村 啓和 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (80217182)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | HIV / カプシド蛋白質 / 二量体化 / 抗HIV剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで、in silicoスクリーニングによって、HIV-1カプシド(CA)の二量体化に関与するHelix9-Helix9相互作用を標的とする低分子化合物の中の一つ、MKN-3誘導体(TKB063)ついて報告した。今年度は、TKB063を用いた抗HIV-1作用機序の解析を行い、さらにTKB063より活性が高く、細胞毒性が低い誘導体の創製を目指した。293T細胞において、TKB063存在・非存在下でNL4-3をトランスフェクトし、ウイルス産生量(p24 ELISA)および産生ウイルスの感染価(TZM-bl細胞)を測定した。25 uM TKB063処理においてウイルス産生量および感染価の部分的な低下が認められた。次に、MT-4細胞に高濃度のHIV-1を吸着させた後、TKB063存在・非存在下で温度を37℃に上げ感染を進行させ、感染後30時間に産生されたウイルス量および産生ウイルスの感染価を測定した。産生ウイルス量は25 uMのTKB063で処理した細胞においても大きな減少は認められなかった。一方、産生ウイルスの感染価は、処理したTKB063の濃度に依存して低下していた。以上の結果は、新規抗HIV-1低分子化合物TKB063は、HIV-1複製後期過程においてCAに作用して、産生ウイルスの感染性を低下させている可能性を示している。また、TKB063の誘導体合成では、疎水性および細胞膜透過性の改変により、TKB063より高い抗HIV-1活性を示す化合物の創製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症対策等
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Strategy for Future Research Activity |
TKB063を使用して、この薬剤の作用機序の解明を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ対策等で支出が予定通り行えなかったため。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Low-molecular-weight Anti-HIV-1 Agents Targeting HIV-1 Capsid Proteins2023
Author(s)
Kobayakawa, T., M. Yokoyama, K. Tsuji, M. Fujino, M. Kurakami, T. Onishi, S. Boku, T. Ishii, Y.Miura, K. Shimohara, Y. Kishihara, N. Ohashi, O. Kotani, T. Murakami, H. Sato and H. Tamamura
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Journal Title
RSC Advances
Volume: 13
Pages: 2156 - 2167
DOI
Peer Reviewed
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