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2022 Fiscal Year Research-status Report

脂質代謝そして糖代謝を同時に制御する新規蛋白PCSK7の総合的・網羅的機能解析

Research Project

Project/Area Number 22K08635
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

塚本 和久  帝京大学, 医学部, 教授 (20251233)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宇野 健司  帝京大学, 医学部, 准教授 (50596632)
蔵野 信  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60621745)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsPCSK7 / 脂質代謝 / 糖代謝
Outline of Annual Research Achievements

CRISPR/CAS9システムを用いて樹立した遺伝子欠損細胞株、アデノウイルスベクター(ADV)で蛋白を過剰発現/発現抑制した細胞を用いてマイクロアレイ解析を行った。その結果、PCSK7の発現量増加は、内皮細胞系EA hy926細胞においてHDL-C上昇・LDL-C低下に関与するABCA1やLDLRAP1の遺伝子発現を亢進させ、肝細胞系HepG2細胞においてはTG上昇・LDL-C低下・HDL-C低下につながるANGPTL2、FABP5、FABP1、LDLR遺伝子の発現亢進、APOA1遺伝子の発現低下を認めた。HepG2細胞にADVでPCSK7を過剰発現、あるいは発現抑制することで、発現抑制系では細胞LDL受容体蛋白量の減少とアポEおよびアポMの上清中蛋白量の増加(mRNA量は変化なし)、過剰発現系では細胞LDL受容体量の増加とNPC1L1蛋白量の減少(アポEおよびアポMの上清中蛋白量は変化なし)を認めた。
PCSK7過剰発現KKAyマウスにおけるTG値上昇、TC値低下、血糖値低下につながる分子メカニズムを、マウス肝臓検体を用いて、核タンパク・代謝関連酵素などの蛋白量やmRNA発現量の検討を行った。核タンパクにおいてはFoxO1低下、CREB低下、LXR上昇などの結果を得るとともに、RT-PCRにてPEPCK低下、GK上昇、LRP低下、などの所見を得た。また、血漿検体を用いて血中リポタンパクの解析も行い、カイロミクロン・VLDL分画が増加することを確認した。そして、正常食C57BL/6マウスおよび代謝疾患モデルである脂肪食負荷C57BL/6マウスにおいても、PCSK7発現が血糖値を低下させることを確認した。さらに脂肪食負荷C57BL/6マウスでは、PCSK7発現が脂肪肝をもたらすことが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

細胞実験において、実験に用いる細胞系を確立し、マイクロアレイ検討、そして細胞および培養上清蛋白量の検討を予定通り行うことができた。また、申請時に認めていたPCSK7過剰発現によるKKAyマウスでの脂質代謝・糖代謝への変化を説明する遺伝子発現の変化が確認できた。さらに正常食・脂肪食負荷C57BL/6マウスでもKKAyマウスと同様に糖代謝を改善することを確認した。ただし、PCSK7 floxマウスを用いた臓器特異的PCSK7遺伝子発現低下モデル作成に関しては、胚で供与を受けた肝臓特異的Cre発現マウスの確立にやや難渋したため、実験に使用するマウスの最終確立段階に入った段階であり、やや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

PCSK7発現により血糖値低下が確認できた正常食C57BL/6マウスおよび代謝疾患モデル脂肪食負荷C57BL/6マウスにおいて、KKAyマウスと同様の遺伝子発現変化が認められるかどうかを確認する。肝臓特異的PCSK7欠失マウス作成のためラインを確立し、PCSK7欠失のためのタモキシフェン投与量を設定し、様々な食餌(普通食、脂肪食)下における脂質および糖代謝への変化を検討する。また、KKAyマウスでのPCSK7i ADVを用いた発現抑制検討も行う。これらマウスの肝臓および培養細胞のオミクス(リピドミクス、メタボロミクス)解析も推進する。内皮細胞特異的PCSK7欠損マウスでの検討準備も開始する。

Causes of Carryover

令和5年度以降に、費用のかさむマウスでの検討やオミクス解析が予測されるため、令和4年度は他の資金を用いて研究を行った結果、次年度使用が生じた。今後の研究の進行状況に応じて、本基金を投入していく予定である。

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Published: 2023-12-25  

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