2023 Fiscal Year Research-status Report
全エクソーム解析を用いたハイリスク高中性脂肪血症の同定
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22K08645
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高瀬 暁 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (80508094)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高中性脂肪血症 / 急性膵炎 / 動脈硬化症 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
中性脂肪(triglyceride; TG)は、血中では小腸由来のカイロミクロン(chylomicron; CM)と肝臓由来のVLDLによって運ばれ、いずれもリポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase; LPL)とその関連遺伝子(APOC2、APOA5、GPIHBP1、LMF1)によって代謝されている。これらの遺伝子の欠損症(monogenic; rare variantのホモ・複合ヘテロ接合体)は、CM蓄積を伴う重度の高中性脂肪血症(Hyper Triglyceridemia; HTG)を来たす(原発性高CM血症)。一方、HTG関連遺伝子の変異の集積(polygenic; rare variantのヘテロ接合体、およびcommon variant)も、環境要因(糖尿病、飲酒など)と複合して軽度から重度のHTGを来たす。 severe HTGは急性膵炎の、mild HTGは動脈硬化のリスクとされるが、全てのHTG患者が合併症を来たすわけではない。severe HTGでも膵炎を来たすのは約10-20%程度と言われる。では、どのような遺伝・環境要因が加わると合併症を来たすのか?「どのような患者が膵炎や動脈硬化リスクか」が分かれば、ハイリスク患者を重点的に治療する個別化医療に役立つ。 そこで、本研究課題では申請者所属研究室の脂質異常症コホートを活用し、説明・同意のもと全エクソーム解析を含めた遺伝子解析を行ない、HTGの遺伝要因と合併症との関連を解析することで、ハイリスクHTGの同定を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者所属研究室にて構築中の脂質異常症コホート組み入れ患者に対し、説明、同意のもと、血液採取、ゲノム抽出を進めながら、遺伝子解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き患者リクルートを継続すると共に、全エクソーム解析を含めた遺伝子解析を進めていく。
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Research Products
(3 results)