2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of natriuretic peptide-based novel diagnosis and therapy for non-alcoholic fatty liver disease
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22K08675
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
市来 智子 滋賀医科大学, 医学部, 特任准教授 (90812074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 喜久 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10711541)
沼田 泰尚 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40829983)
佐々木 茂 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10305229)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ナトリウム利尿ペプチド / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 脂肪化 / 肝炎 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)はメタボリックシンドローム(MetS)の肝病変であり、炎症・線維化を呈する非アルコール性肝炎 (NASH)への進行は予後不良となる。ナトリウム利尿ペプチド(NP)は抗炎症・抗線維化作用を有するが、肝病変に対する応用研究は少ない。本研究ではNAFLDにおけるNPの役割と治療応用について解明することを目的とする。 2023年度の臨床研究では、外来通院中のNAFLD患者の肝臓の病態及び利尿ペプチドレベルの検討を行うため、NAFLD患者の前向き研究(UMIN-CTR#000048569)を継続しているが、患者の症例登録数が十分になく、保存血液サンプルの一次解析には至らなかった。 2023年度の動物実験では、10週齢の雄 Sprague-Dawley(SD)ラットを(The Jackson Laboratory社)2週間通常環境で飼育したのち、12週齢のSDラットをA:通常食群(n=6)、B:NASH-未治療群(高脂肪高コレステロール食給餌(Research Diet社))群(n=6)に分け、28週齢までの16週間給餌を行った(Jensen VS et al. Diabetol Metab Syndr 2018)。全例とも28週齢までトラブルなく生存し、麻酔下に全血採血を行い、安楽死を確認したのちに臓器摘出を行った。NASH群では通常食群と比較して高脂肪高コレステロール食給餌に誘導された肥満と、肉眼的な脂肪肝を認めた。HE染色では肝脂肪化を主病態とする肝炎症を確認した。線維化の程度については特殊染色にて確認予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度の動物実験ではNASHラットモデルに対し、利尿ペプチド系の組織発現と肝脂肪化・線維化との関連を解析し、病態生理をまず解明する予定であった。研究代表者が実験遂行を担当しているが、2022年度に引き続き2023年度も実験途中で異動が内定・決定したため、実験を中断せざるを得なかった。また、2024年度は実験環境が整い次第、実験再開を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度前半は引き続きNAFLD患者の収集に努める。2025年度後半に腹部エコーによる肝脂肪化及び線維化と利尿ペプチド系バイオマーカー濃度測定を行いこれらの関連について最終解析を行う予定である。 遅れている動物実験に関しては香川大学医学部での実験環境が整い次第再開し、雄 Sprague-Dawley(SD)ラットに対するNASH作成+NP系薬剤投与を行い、組織解析による病態生理の解明とNP系薬剤の効果判定を行っていく。
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Causes of Carryover |
当該年度末に香川大学医学部への異動を予定しており、動物実験の中断を余儀なくされたため、物品購入を控えた分残額が生じた。また、臨床研究では症例の集積が足りず一次解析に至らなかったため、その解析費用も残額となった。 2023年度残額分は2024年度内に臨床研究及び動物実験を進行させる予算として計上予定である。
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