2023 Fiscal Year Research-status Report
乳癌におけるのAbscopal効果の検証と放射線療法効果モニタリングの開発
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22K08688
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 穣 東北大学, 大学病院, 講師 (60710788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 孝宣 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00292318)
濱中 洋平 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (10463788)
藤島 史喜 東北大学, 大学病院, 准教授 (40451596)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 放射線療法 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌治療で局所制御を目的に行われる放射線療法が全生存率をも改善することが明らかとなり、その要因としてAbscopal effectが提唱されている。これは、腫瘍局所への放射線療法により免疫環境が改善され、転移巣へ好影響を及ぼすものである。しかしこの効果は前臨床モデルで示されたのみであり、乳癌患者においてどの程度有効かは明らかとなっていない。我々は薬物療法によって乳癌患者の免疫環境が改善され、その変化が薬物治療効果や予後と相関することを報告してきた。よってここでは、腫瘍局所への放射線療法で放出されたがん抗原によってTCR、BCRの変化が惹起され、相対的に優位な細胞障害性免疫細胞の誘導により転移巣が制御され、その結果予後が改善すると想定した。照射前後の免疫環境の変化と血中循環腫瘍量・DNAをモニタリングすることが、上記仮説を証明するとともに放射線療法の非照射部転移巣・照射部双方への効果予測に有用であると考え、本研究で検証する予定である。2023年度は引き続き測定可能な遠隔転移巣を有するStage IV乳癌症例の集積、組織・血液のバンキングを中心に進め、また第31回日本乳癌学会学術総会シンポジウムで本該当分野の今後の課題について招待演者として講演を行った。また、本研究によって放射線治療中もしくは薬物療法中の体内免疫環境のモニタリングが可能となった際には、体内の免疫環境と乳癌術後再発リスクの関連性の検討が可能となってくる。その点に関して、第32回日本がん転移学会学術集会・総会シンポジウムで招待演者として講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在は、対象症例の血液・組織検体のバンキングを継続しているが、解析にはまだ至っていない。理由として、測定可能な遠隔転移巣を有するStage IV乳癌症例の集積が進んでいないことである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後速やかに解析まで行えるように、関連病院へ周知して症例集積を加速させる予定である。
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Causes of Carryover |
症例集積が遅れたため、解析費用を次年度へ繰り越したため。
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Research Products
(4 results)