2022 Fiscal Year Research-status Report
末梢血リンパ球でのHBOCの診断、発がん予防、予測システムの開発
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22K08700
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡部 剛 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70451573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 奈津子 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50361192)
高井 淳 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (90813890)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | BRCA / HBOC / 中心体 / FACS |
Outline of Annual Research Achievements |
HBOCでは、個々のBRCA変異に対し経時的な発癌リスクを予測するBRCA機能評価法の開発が望まれる。我々はBRCA1/2の中心体制御機能に着目し、蛍光免疫染色を用いてHBOC乳癌症例の乳癌組織内(主にBRCA両アレルの機能不全)の中心体数が、約4倍に増加していることを示した(Cancer Sci. 2018)。BRCA片アレル機能不全があるHBOC末梢血でも、段階的なBRCA機能不全を、中心体数の変化で検出できないかと考えこの研究を行った。 BRCA1ヘテロKOマウス(BRCA1+/-)とBRCA1wt(BRCA1+/+)での全血採血(約1ml)でBRCA1ヘテロKOマウスで有意にγ-tubulin(中心体のメインタンパク質)の増加をFACS、蛍光顕微鏡で確認した。また照射することによりBRCA1ヘテロKOマウス(BRCA1+/-)でのみ中心対数が増加した。 scale downしたマウス尾静脈採血(150ul)でも同様の結果を確認することができ、経時的な中心体の変化をモニターすることが可能となった。 しかしBRCA1ヘテロKOマウスの自然発がんはほどんど見られず、照射、食餌などの介入も加えてもほとんど発がんは見られなかった。発がんをきたすような更なる介入を追加しているが、今後別のBRCAマウスに変更することも検討している。 また微量な採血でも中心体の評価が可能であることが分かったため、当院倫理委員会に申請しBRCA遺伝子検査を受けた乳がん患者を対象に1ml余分に採血し、同様にFACSで中心体評価をする研究が承認された。現在リクルートし並行して検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BRCA変異マウスの発がんがほとんどなく、各種介入(照射、食餌)を加えても発がんが見られていない。今後マウスの変更も検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
人に対する1ml採血での中心体評価が承認されているため、引き続き症例を集積し検討する。BRCA変異マウスの発がんに関しては、現在のマウスではほとんど見られないため、発がん頻度の高い報告がなされているマウスを入手するように検討している。
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Causes of Carryover |
マウスの発がんが認められず、その解析を行う実験が行えなかった。今後更なる介入の検討、別のモデルマウスの使用も含めて検討している。
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Research Products
(1 results)