2022 Fiscal Year Research-status Report
腸管神経発生の分子メカニズムからヒルシュスプルング病の病態をひもとく
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22K08703
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
岡島 英明 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20308604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉崎 尚良 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00443490)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヒルシュスプルング病 / iPSC |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒルシュスプルング病(HSCR)は、胎生期に腸管神経系を構築する腸管神経堤由来細胞の移動、増殖、分化が抑制されることに起因して発症する疾患で腸閉塞を主訴とする。HSCRは多因子遺伝病の特徴を持ち、原因遺伝子としてRETチロシンキナーゼをはじめ15遺伝子が知られる。しかし70%以上のHSCRで発症メカニズムが分かっておらず、薬剤治療法につながる原因遺伝子の探索は重要な課題となっている。近年、ゲノムワイド関連解析を使い新規HSCR原因遺伝子の同定が試みられているが、少数症例の多因子疾患という特徴が、その同定を困難なものにしている。我々はマウス腸管神経発生の研究から、発生期腸管で発現変動のある遺伝子がHSCR原因遺伝子と強い相関があることを見出した。現在、腸管神経細胞に分化誘導したときの遊走能、分化能、増殖能の検討を行うため、健常者、HSCR患者由来iPS細胞を21株作成し、10株のホールエクソン解析から、患者特異的な一塩基多型の抽出作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
患者由来のiPSCからホールエクソン解析を行い、一塩基多型の抽出作業を行っているが、一塩基多型の抽出条件の設定に手間取っており、iPSCの分化誘導実験まで進めず実験計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
一塩基多型の抽出条件の設定は、今後のヒルシュスプルング病の病態解析と現遺伝子の特定に必須となるため厳格に行ってきたが、大幅な実験計画の遅れが生じたため、疾患iPSCを使った腸管神経堤細胞の分化、遊走、増殖能の解析を優先して進め、表現型から原因特定のための変異を探索する方向に計画をシフトすることで、遅れの修正を図る。
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Causes of Carryover |
本年度は、実験計画の大幅な遅れが、お金のかからないin sillico解析の試行で生じたため、使用額が大幅に少なくなった。本年度行えなかった実験を来年度行う計画を立てており、最終的な使用計画の変更は、生じない予定である。
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Research Products
(1 results)