2022 Fiscal Year Research-status Report
羊膜由来幹細胞が肝内膵島生着環境に与える影響の解明
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22K08745
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸子台 和哲 東北大学, 大学病院, 准教授 (50581641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 昌利 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00451584)
星合 哲郎 東北大学, 大学病院, 講師 (10569560)
後藤 昌史 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50400453)
菅原 宏文 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (60451572)
三木 敏生 日本大学, 医学部, 教授 (80845305)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 羊膜由来幹細胞 / 膵島移植 / 拒絶反応 / 即時型炎症反応 / 血管新生促進作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
現行の膵島移植は門脈内に投与し肝臓に生着させる形で臨床応用され、低侵襲な治療で低血糖発作を予防することができるようになっている。一方で、移植直後の炎症反応や虚血により投与した膵島の多くが障害を受け、多くの症例ではインスリン離脱には到達しないのが現状である。本研究では、ヒト羊膜から採取される羊膜由来幹細胞をラット同種同系、およびラット同種異系膵島移植に応用することで、膵島生着促進効果を検証することを目的としている。令和4年度においては、拒絶反応が起こり得るラット同種異系膵島移植モデルを用いて、膵島移植後における即時型炎症反応だけでなく拒絶反応までも制御することが可能かどうか検証を行った。その結果として、移植後早期において。膵島・羊膜由来幹細胞共移植群では膵島単独移植群に比し有意に良好な血糖降下作用を認め、移植直後の膵島保護作用、もしくは生着促進作用を示唆する結果が得られた。一方で、中長期的には、徐々に膵島による血糖降下作用が失われ、膵島の完全な生着は得られず、羊膜由来幹細胞共移植の効果は短期に留まることが明らかとなった。その原因として、羊膜由来幹細胞には免疫調整作用を有することが明らかにされているものの、単独で同種異系移植に起こる拒絶反応を制御することはできず、長期生着とはならなかったと想定している。現在、中長期において、膵島の機能廃絶に至った原因について、拒絶反応の評価や血管新生の評価を行うことで検証を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット膵島門脈内移植モデルはすでに当研究グループで確立している動物実験モデルであり、また羊膜由来幹細胞の採取においても支障は認めておらず、予定通りの検証を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
拒絶反応が起こらない同種同系移植モデルを用いた羊膜由来幹細胞共移植の効果について検証を開始しており、上述した実験と並行して進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染の影響もあり、学術集会での研究報告の一部が現地参加からオンライン参加になったため、当初の予定より旅費による支出が少なくなった。令和5年度における学術集会への参加の費用として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)