2022 Fiscal Year Research-status Report
がん細胞特異的アミノ酸トランスポーターを標的とした新規複合的がん免疫療法の開発
Project/Area Number |
22K08766
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
酒井 真 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70420099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 浩司 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80325448)
横堀 武彦 群馬大学, 未来先端研究機構, 准教授 (60420098)
宗田 真 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (70507326)
矢島 俊樹 香川大学, 医学部, 教授 (20346852)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | がん免疫療法 / 消化器癌 / アミノ酸トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では①LAT1阻害によって腫瘍免疫がどのような応答を示すか、またそのメカニズムは何か、②LAT1阻害剤併用によりICIの治療効果が増強可能か、について解明することを目的としている。そのため、1)切除検体におけるLAT1と免疫チェックポイントタンパク、ICI感受性の関連の検討 2)新規マウス腫瘍モデルを用いたLAT1阻害剤による腫瘍免疫増強効果の検証 3)消化管がん細胞株を用いた担癌モデルに対するLAT1阻害剤とICIの併用効果の検証、を計画している。現在、1)および2)について取り組んでいる。1)の切除検体におけるLAT1と免疫チェックポイントタンパク、ICI感受性の関連の検討に関しては、大腸癌切除症例を用いてLAT1発現を検討している。LAT1陽性例はリンパ節転移,リンパ管侵襲のリスクが高く,再発率が有意に上昇していた。また術後補助化学療法施行例でもにおいても LAT1陽性例は再発率が高く,いくつかの抗癌剤の感受性と関連し予後が不良であることが判明した。これはLAT1が消化管癌においてその悪性度や治療耐性に関連することを示している。また2)については、新規マウス腫瘍モデルを用いて抗PD-l1抗体投与が、抗原特異的CD8T+細胞(CTL)発現に及ぼす影響について基礎データを収集している。先行して行った肺癌細胞を持いた実験系で、抗PD-1抗体を投与することで、抗原特異的CD8T+細胞(CTL)が誘導されていることを確認した。また抗PD-1抗体の投与時期によっても、抗腫瘍効果に差があることが示されている。いずれの結果も、今後の消化管癌における腫瘍免疫とLAT1の関連、LAT1阻害による各種免疫細胞の動態変化などの検討が、将来の切除不能進行消化管がんの治療効果改善に資することを示唆するものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
また新規マウス腫瘍モデルを用いた、LAT1阻害剤による腫瘍免疫増強効果の検証について、消化器癌細胞を用いた実験系の立ち上げが遅れている。このため細胞実験・動物実験については、実験計画と比して遅延がみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
LAT1発現と腫瘍局所免疫の関連について、食道癌および胃癌など他の消化管癌切除検体を用いた免疫染色法による解析も行い、LAT1発現とTIL数や免疫チェックポイントタンパク発現を比較し、LAT1発現と腫瘍局所免疫との関連についての解析をすすめる。また今後はOVAを過剰発現させたマウス由来大腸がん細胞株(MC38-OVA))を用いた同様な実験系の安定化を図り、難しい場合は肺癌細胞株を用いた実験系を流用して、LAT1阻害剤およびLAT1阻害剤とICI併用によるCTLの動態変化を検証を進めたい。
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Causes of Carryover |
研究、検討がやや遅れているため。今後の追加の免疫染色、および新規マウスモデル腫瘍モデルにおけるマウス由来大腸がん細胞株を用いた実験系の確立のために本研究費を使用する予定である。
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