2023 Fiscal Year Research-status Report
The role of the cGAS-STING pathway for regulations of tumor-microenvironment by immunoradiotherapy in esophageal squamous cell carcinoma
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22K08779
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中嶋 正太郎 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50723417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 浩二 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40283204)
三村 耕作 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90568031)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食道扁平上皮癌 / cGAS-STING / I型インターフェロン / CD8陽性T細胞 / CD163陽性M2-TAM / IL-34 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、食道扁平上皮癌(ESCC)患者の術前化学放射線療法(NACRT)施行前の生検標本とNACRT施行後の手術摘出標本のIHC解析により、腫瘍細胞内cGAS-STING発現が放射線治療による免疫細胞の浸潤に及ぼす影響に関し検討を行った。NACRT前後のESCC組織のCD8陽性T細胞数を比較したところ、NACRT後にCD8陽性T細胞数の有意な増加が観察された。興味深いことにNACRT後のESCC組織においてのみ腫瘍細胞内cGAS-STING発現レベルとCD8陽性T細胞数の間に相関傾向が観察された。したがって、放射線治療によるCD8陽性T細胞の浸潤には、腫瘍細胞内cGAS-STING経路が関与する可能性が示唆された。一方、NACRT前後のESCC組織を用いてCD163陽性M2-TAM数を比較したところ, NACRT後にCD163陽性M2-TAM数が有意に増加していた。CD8陽性T細胞数同様, NACRT後のESCC組織においてのみ腫瘍細胞内cGAS-STINGとCD163陽性M2-TAM数の間に相関傾向が観察された。さらに腫瘍細胞のIL-34発現レベルと腫瘍細胞内cGAS-STING発現レベルに有意な相関が認められ, またIL-34産生レベルはCD163陽性M2-TAM数と有意に相関したことから, 放射線治療によるCD163陽性M2-TAMの浸潤には、ESCC腫瘍細胞内cGAS-STING経路を介したIL-34産生が関与する可能性が示唆された。ESCCの腫瘍細胞内cGAS-STING経路は、放射線治療によるCD8陽性T細胞およびCD163陽性M2-TAM浸潤の両方に寄与する可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の研究計画に基づき、ESCC組織において腫瘍細胞内cGAS-STING経路が放射線治療によるCD8陽性T細胞やCD163陽性M2-TAMの浸潤に及ぼす影響を解析することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究では、複数のESCCコホートの遺伝子発現解析により、本年度までに得られた自験例の結果と比較解析を実施する。すでに5つの公開データセットを準備済みである。
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Causes of Carryover |
本年度の研究では、申請者が所属する研究室で共通した試薬、抗体、キット、消耗品などを活用することができたため、新規の物品購入費が生じにくかったなどの理由により、次年度使用額が生じた。
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[Presentation] 放射線治療による腫瘍細胞内cGAS-STING経路を介した食道扁平上皮癌微小環境の変化2023
Author(s)
中嶋正太郎, 三村耕作, 金田晃尚, 片方雅紀, 岡山洋和, 齋藤元伸, 佐瀬善一郎, 花山寛之, 多田武志, 門馬智之, 河野浩二.
Organizer
第44回癌免疫外科研究会