2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K08783
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
折田 創 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (50465069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 賢哲 順天堂大学, 医学部, 助教 (30758321)
小林 敏之 順天堂大学, 大学院医学研究科, 客員准教授 (40260070)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 極長鎖脂肪酸 / 消化器癌 / 胃癌 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
手術治療された胃癌30例、大腸癌30例を用いて、ELOVLE (脂肪酸伸長酵素)1~8までを正常部と癌部とでRT-PCRを行い、どの酵素が癌細胞内で増加しているかを確認した。 胃癌においては、ELOVLE5が正常部より高値を示した。他の酵素はいずれも正常部より低下を認めた。大腸癌においては、ELOVLE2とELOVLE7が正常部より高値を示した。P質量解析を同じ検体で行う予定であったが、RT-PCRが予想以上に検体を必要としていたため、質量解析できる量の残存がなくなってしまい、新しい検体を用意して、再度RT-PCRを行っているところである。こちらの結果を踏まえて質量解析を行う予定である。また胃癌検体において、CES1(カルボキシエステラーゼ)が高値であることを検出。CES1は、脂肪酸エステルやトリグリセリド、コレステロールエステルなどの脂質分解を促進する働きを持っており、このCES1の異常が癌発生に関与していることも報告されている。これらとの関連を今後検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記にもあるように、RT-PCRの条件設定に時間がかかり、また検体の多くをそちらに費やしたため、同検体で脂質解析が困難となってしまった。この為、再度検体を選び直し、RT-PCRと質量解析を同時に行うため。また、その間CES1の検討を行い、結果としてCES1高発現している細胞株の同定も行うことが出来た。今後この細胞株を用いた動物実験を行うため、現在準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
質量解析を同じ症例に対して行い、VLCFAとELOVLEとの関連を今年度確認する。 また、細胞内のミクロソーム内に存在し、エステル結合を有する薬剤をカルボン酸(R1-COOH)とアルコール(R2-OH)に加水分解する代謝酵素CES(カルボキシエステラーゼ)との関連について検討を行う。
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Causes of Carryover |
計画していたメタボローム解析が出来なかったため、2022年度の使用金額が予定より少なくなった。この解析を2023年度に使用し、若干遅れている研究を加速する予定である。
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